熱水力安全研究グループ

ROSA-V/LSTF実験

軽水炉事故時の安全性の確保・向上に係る国際研究協力であるOECD/NEA ROSA及びROSA-2プロジェクトを、規制、規制支援機関や大学、産業界の参加で17年4月から7年半に亘りPWRの事故現象模擬性に優れたLSTF(図1)を用いて、国際的に共通な熱水力安全課題に関する実験を19回行いました。本プロジェクトでは、JAEAで開発した種々の計測機器を用いて、実機と同じ高温高圧条件で詳細な実験データを取得し、事故現象を解明するとともに、BEコード(RELAP5など)やCFDコード(FLUENTなど)を用いた解析を通じて現象予測に係る課題などを摘出しました。

ROSA-2プロジェクト終了後は福島事故などを踏まえた安全対策の高度化に関連して、LSTFを用いたPWR電源喪失事故対応のアクシデントマネジメント(AM)実験を行っています。図2は実験で得た一次系と蒸気発生器(SG)二次側圧力の変化を示しています。加圧器安全弁の周期的開閉による一次系インベントリの減少に伴う炉心露出後のSG二次側減圧と低圧でのSG二次側給水によるAM策により、一次系圧力は4.5MPaに低下して蓄圧注入系(ACC)が作動しました。実験ではACC隔離失敗による窒素ガスの流入も仮定しており、その影響としてSG二次側圧力に比べて一次系圧力の低下が緩慢であることやSG伝熱管群において非均一な流動が生じることなどを明らかにしました。引き続き、電源喪失事故時の種々のシナリオを想定したLSTF実験を行うことで、AM策の有効性や窒素ガスの影響などについて検討することを計画しています。

図1

図1 LSTFの系統図


図2

図2 LSTFを用いたPWR電源喪失事故対応AM実験の結果

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