令和8年6月15日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

英国との連携で日本の高温ガス炉技術の社会実装を加速
―英国における高温ガス炉の実用化に向けた協力覚書を締結―

  • 日本原子力研究開発機構(JAEA)、英国国立原子力研究所(UKNNL)及びロールス・ロイス社は、高温ガス炉技術及び高温ガス炉燃料技術に係る協力覚書を締結しました。
  • これまでのJAEAとUKNNLによる日英連携に、英国において高温ガス炉建設を目指す事業者のロールス・ロイス社が新たに参画することで、日本の高温ガス炉技術の実用化に向けた道筋の具体化と社会実装の加速を図ります。
  • 2050年までのカーボンニュートラル達成に向け、JAEAはUKNNLを介してロールス・ロイス社と連携し、高温ガス炉や熱利用技術の開発、高温ガス炉燃料技術の開発、経済性やサプライチェーンの検討、人材育成等に取り組み、高温ガス炉の早期社会実装を目指します。

左から小口正範 理事長クリス・チョレルトン グループ社長(ロールス・ロイス社)ジュリアン・アントロバス 最高経営責任者(UKNNL)

日本原子力研究開発機構(JAEA)、ロールス・ロイス社及び英国国立原子力研究所(UKNNL)の3者間の実務者により、正式な調印に先立って行われた2つの協力覚書への署名の様子。

なお、正式な調印は6月14日(現地時間)高市早苗首相の英国訪問にあわせて、英首相官邸において行われた。

英国政府は、2050年までの温室効果ガス排出ネットゼロ達成を国家目標として掲げ、産業界の脱炭素を図るための革新炉を高温ガス炉に決定し、2022年9月から英国高温ガス炉実証炉プログラム(フェーズA(事前概念検討)、フェーズB(基本設計)及びフェーズC(許認可、建設))により高温ガス炉開発を行ってきました。

JAEAとUKNNLは、英国高温ガス炉実証炉プログラム(フェーズA及びフェーズB)及び英国高温ガス炉燃料開発プログラム(Step1)における事業者として、エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)に採択され、技術開発を進め、これらのプログラムを完遂しました。

その後、英国政府は、民間主導による革新炉技術の開発・商業化を加速するための政策枠組みである、革新炉フレームワーク(Advanced Nuclear Framework:ANF)を開始しました。こうした中、ロールス・ロイス社はANFを活用した英国における高温ガス炉開発と社会実装に名乗りを上げ、これまでの日英連携の成果を活用すべくUKNNLを介してJAEAに連携を求めました。

JAEA、UKNNL及びロールス・ロイス社は、高温ガス炉の実用化に向けた検討を具体化するため、6月14日(現地時間)に英国ロンドンにおいて、高温ガス炉技術及び高温ガス炉燃料技術に係る協力覚書を締結しました。本連携は、原子力を含むエネルギー分野で広範な実績を有するロールス・ロイス社の参画により、これまでの技術開発の成果を社会実装へとつなげる日英連携体制を強化し、社会実装に向けた取組を一層加速させます。

JAEAは、日本における高温ガス炉実証炉計画の推進と並行し、引き続き英国と連携して英国における高温ガス炉技術及び高温ガス炉燃料技術の確立・実用化を目指します。具体的には、許認可、建設に向けた高温ガス炉や高温熱を用いた熱利用技術の開発、高温ガス炉燃料技術の開発、経済性やサプライチェーンの検討、人材育成等に取り組みます。これにより、日本の高温ガス炉実証炉の燃料調達オプションのひとつにするとともに、英国における許認可対応の経験や社会実装の過程で得られる社会科学的知見を我が国へ還元することにより、日本における高温ガス炉技術の社会実装加速への貢献が期待できます。

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