令和3年11月29日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

日本原子力研究開発機構が、国際原子力機関(IAEA)協働センターに指定
―国際的な原子力利用の持続性確保に向けた国際貢献の新たな取組―

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄)(以下「原子力機構」)は、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:以下「IAEA」)より、核セキュリティおよび廃止措置・廃棄物管理の2分野において、IAEA協働センター(Collaborating Centre)(以下「協働センター」)の指定を受けました。これを受け、令和3年11月26日(金)に、引原毅(ひきはら たけし)在ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使ご臨席のもと、協働センターとしての指定を示す銘板がIAEAのチュダコフ、エヴラール両事務次長より児玉理事長に授与されました。原子力機構は、協働センターの活動を通じて、カーボンニュートラリティの達成に向けて不可欠な国際的な原子力利用の持続性の確保に貢献してまいります。

<背景>

IAEAにおいては、各分野の担当事務次長が各分野の活動を支援するパートナーとして加盟国の関係機関又は機関内の組織(部門、研究所等)を協働センターに指定する制度があり、現在、36か国の58機関が協働センターとしての指定を受け、IAEA加盟国に対する支援活動を実施しています。日本において複数分野で協働センターの指定を受けるのは、原子力機構が初めてのケースとなります。

カーボンニュートラリティの達成に向けてエネルギーミックスの一部としての原子力利用に対する国際社会の認識が高まっていますが、原子力利用を持続可能な形で国際的に進めていくためには核セキュリティを確保すること、原子力施設の廃止措置・放射性廃棄物の管理を着実に進めていくことが前提となります。こうした観点から原子力機構は、上記2分野においてIAEAを通じて他の国の活動を支援していくことが重要と考えています。

<活動の概要>

(核セキュリティ分野)

我が国は国際的な核不拡散体制が直面する重要課題に対し、IAEAや関係国と連携しながら、国際的な取組みをリードしています。原子力機構は核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の活動を通じて、IAEAと緊密に連携・協働し、トレーニングコースや教材の開発、核物質や放射性物質の検知など先進的な核セキュリティシステムに係る技術開発協力等を進展させることにより、核セキュリティの確保に関する国際協力に一層貢献します。

(廃止措置・廃棄物管理分野)

原子力機構は、廃止措置中及び今後廃止措置に移行する予定の様々なタイプの原子炉を保有しています。原子炉の廃止措置の安全かつ効率的な実施には原子炉内の放射能量の評価が重要であることに鑑み、原子力機構は放射能量の評価の手法と結果をIAEAに提供することにより、IAEA加盟国における能力の向上に貢献します。

提供:Anass Tarhi / IAEA

(右から、IAEAエヴラール事務次長 、IAEAチュダコフ事務次長、原子力機構理事長 児玉敏雄(スクリーン)、在ウィーン国際機関日本政府代表部 引原毅特命全権大使、原子力機構ウィーン事務所長 小林直樹)


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