平成30年5月25日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

日米政府間の民生用原子力研究開発協力における原子力機構の取組

【発表のポイント】

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄、以下「原子力機構」という。)は、日米政府間の「民生用原子力協力に関する二国間委員会」の下に設置された日米民生用原子力研究開発ワーキンググループ(CNWG)において、新型炉(高速炉及び高温ガス炉)、核燃料サイクル・廃棄物管理(酸化物燃料の湿式分離、先進燃料の開発等)、軽水炉(事故耐性燃料の開発)の協力に取り組んでいます。

平成30年5月24日に第6回CNWG会合が大阪府内で開催され、原子力機構は研究開発機関として会合に参加しました。研究開発協力を進めている3つの分野について、米国エネルギー省(DOE)との研究開発協力の進捗状況の報告及び今後の協力の方向性に関する議論等を行い、今後、より一層協力を深化させることが合意されました。また新たな協力項目として、原子力機構とDOEに加えて電力中央研究所の3機関が、金属燃料高速炉の安全性解析に関する新たなプロジェクト取決めに署名しました。

本協力により日本の新型炉関連技術のポテンシャルが高まることが期待されます。

【日米間の研究開発協力体制】

日米民生用原子力研究開発ワーキンググループ(CNWG)とは、日米政府間の「民生用原子力協力に関する二国間委員会」に設置された5つのワーキンググループの1つで、原子力研究開発を議論するための枠組みです。5つのワーキンググループの構成及びCNWGの下での協力内容を図1に示します。日本側は、経済産業省、文部科学省、米国側はエネルギー省(DOE)が所掌し、当機構は研究開発機関として本枠組みに参加しています。CNWGでは2013年の開始以来、「新型炉」、「核燃料サイクル・廃棄物管理」、及び「軽水炉」の3分野で、情報交換、人員派遣、共同研究等の協力を実施しています。

図1 CNWGの下での協力

【新たな協力の概要】

今般署名された新たなプロジェクト取決めは新型炉研究開発サブワーキンググループの下で実施予定の、金属燃料高速炉の安全性解析に関する協力を目的とするものです。例えば、高速炉安全性解析技術の中の「炉心湾曲反応度評価」では図2に示すように、炉心湾曲構造解析コード開発、マルチフィジックス結合解析システム開発、コードのベンチマーク、及び模擬炉心湾曲実験が行われます。

図2 炉心湾曲反応度評価での研究開発の例

【今後の予定】

今後も原子力機構はCNWGの下、新型炉開発に積極的に貢献し、日米間の原子力協力をより強固なものとしていきます。


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