[1] 目視確認、触診・打音・叩き落とし

コンクリートの経年変化に伴い発生したひび割れ同士が重なること(閉合)により、コンクリートが剥離する恐れが発生する。目視確認では、肉眼により表面状態を把握する。特にひび割れについては、その位置、長さ、幅等を計測・記録する。触診検査では、技術者が直接手で触れることで表面形状の変状から内部の状態を把握する。打音検査では、表面をハンマーで叩き、発生する音の違いにより、内部のうき、剥離状態を特定する。検査の結果、剥離の恐れがあると判断されたコンクリート欠陥部分はハンマー等を用いて叩き落としている。

[2] レーザー誘起振動波診断技術

打音検査おける「打撃」と「耳で聞く」を共にレーザーで行う、遠隔・非接触による打音検査の一種である診断技術。振動励起レーザー照射によりコンクリート表面に光音響波を発生させ、その振動を別のレーザーを用いたレーザー計測システムにより計測を行う。

[3] 光音響波計測法

物質に光を照射したときに、光エネルギーが吸収され熱エネルギーに変換した際、物質の表面温度や形状が変化する。そのときに発生する圧力の変化が音の波として生成される。このような光の照射による物質の状態変化を計測する方法を光音響波計測と呼ぶ。

[4] 誘導放出

光が励起されたレーザー媒質に入射されたときにエネルギーを受け取り、入射された光が増幅される現象。

[5] ファイバーレーザー

増幅媒質に光ファイバーを使ったレーザー。精密な調整が必要ないので振動に強く、並列化によって高輝度化も可能。


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