1) ナノグラニュラー材料

「ナノ」とは、10億分の1(10-9)を表す単位の接頭語であり、1ナノメートル(nm)は10億分の1メートル。すなわち、「ナノグラニュラー材料」とは、母相(マトリックス)中にナノサイズの微小な粒子が分散した材料です。

2)本研究で用いたナノグラニュラー材料は、磁性相の鉄‐コバルト合金粒子を、母相のアルミニウムフッ化物(AlF3)中に分散させた材料であり、この材料の基本特許は2010年に電磁材料研究所から出願されています(特願2010-214360)。

3)光透過率

光学および分光法において、特定の波長の入射光が試料を通過する割合であり、可視光での透過率が大きいと光に透けて見えます。

4)磁気‐光学効果

磁場をかけた物質の透過光や反射光の偏光状態が変化する現象です。材料の磁化に対応して、その材料の誘電率が変化すること。従来の磁気-光学効果として透過光の偏光状態が変化し偏光面が回転するファラデー効果、反射光の偏光状態が変化する磁気光学カー効果が知られています。

5)フッ化アルミニウム

ナノグラニュラー材料に用いられるセラミックス絶縁体として、化学的・熱的に安定な窒化物、酸化物、およびフッ化物があります。フッ化アルミニウムは、バンドギャップが大きく光透過性が優れていることが特徴です。

6)スピン依存電荷振動

私たちが見出した多機能性の新しいメカニズム。グラニュール間の電荷の移動が材料の磁化に対応して変化することによって発現します。

【論文名・著者名】

“Optically Transparent Ferromagnetic Nanogranular Films with Tunable Transmittance”
(透明で透過率の可変特性を有するナノグラニュラー強磁性膜)
Nobukiyo Kobayashi、 Hiroshi Masumoto、 Saburo Takahashi、 Sadamichi Maekawa


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