【用語説明】

注1) 量子力学

原子やそれを構成する電子、原子核などミクロの世界の物理現象を記述する理論。

注2) ガリウム合金

ガリウム(Ga)を主な成分とする合金。ここでは、特に常温で液体のものを指す。本研究では、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)の合金を使用した。

注3) 流体速度計

風の速さを測定する風速計のように液体や気体の流れる速度を測定する装置。

注4) スピン流

スピン角運動量の流れ。例えば電子は電気的な自由度である電荷と、磁気的な自由度であるスピン角運動量を持っており、前者の流れを電流、後者の流れをスピン流と呼ぶ。

注5) 電子のスピンの相互作用

電子の持つスピン角運動量は、磁場や回転と相互作用する。そのため、外部から加える磁場の大きさや向きを変えると、スピン角運動量の方向を制御することができる。例えば、ハードディスクでは、スピン角運動量の向きを、情報の最小単位として利用しており、この向きを制御する技術は、現代の情報社会を支える基盤技術となっている。

注6) 論理集積回路

コンピューターにおける論理回路とは、入力されたある情報を「0」と「1」の「2値」の組み合わせに変換(演算)し出力することで、何かしらの処理を行う、つまり操作に対する動作や結果を返すための回路である。この論理回路を、できるだけ小さなスペースにできるだけ多く設置すること(集積化)で論理集積回路は構築されている。さらに、それを多数組み合わせることでコンピューターの心臓部であるプロセッサーが形成され、複雑な演算(情報処理)を短時間でできる。

注7) 磁気流体発電

電荷を持った粒子が磁場中を運動する時、運動の方向と磁場の方向の両方に対して垂直な方向に力(ローレンツ力)を受ける。同じ極性(プラス、マイナス)の電荷を持つ粒子は同じ方向に力を受け一方向に移動する。結果として、粒子が移動した先に電荷が蓄積され、それによって発生する電位差(起電力)を利用する発電方法。


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