【用語説明】

1) 中性粒子入射装置 (Neutral Beam injector : NBI)

プラズマにビームを入射し、プラズマを数億度まで加熱すると共に定常状態に維持する装置です。最初に、イオン源と呼ばれる装置でイオンを生成し、静電的に加速して大出力のイオンビームを生成します。そのイオンビームを一定圧力で満たしたガスセルを通すことによりイオンの電荷を中和して電気的に中性粒子ビームに変換し、プラズマに入射します。中性化する理由は、核融合プラズマの閉じ込めには強い磁場が用いられているため電気を帯びたイオンビームは、磁場で反発されてプラズマに入射できないためです。

2) JT-60SA (JT-60Super Advanced)

JT-60SA外観図

ITER計画の幅広いアプローチ活動として日欧共同で実施するサテライト・トカマク計画と、わが国で検討を進めてきたトカマク国内重点化装置計画の合同計画として、茨城県那珂市の原子力機構那珂核融合研究所に建設中の超伝導トカマク装置です。

URL:http://www-jt60.naka.jaea.go.jp/index.html (日本語)

3) ITER (国際熱核融合実験炉:イーター)

制御された核融合プラズマの維持と長時間燃焼によって、核融合の科学的及び技術的実現性を実証することを目指したトカマク型(超高温プラズマの磁場閉じ込め方式の一つ)の核融合実験炉です。イーター計画は、1985年にジュネーヴで行われたレーガン大統領とゴルバチョフ書記長の米ソ首脳会談での合意に始まります。そして1988年に日本・欧州・ロシア・米国が共同設計を開始し、2005年に南フランスのサン・ポール・レ・デュランスに建設することが決定しました。2007年に国際機関「イーター国際核融合エネルギー機構(イーター機構)」が発足し、日本、欧州連合、米国、ロシア、中国、韓国、インドの7極が参加しています。現在、イーターが格納される建屋の建設が進められており、また、各極が調達する、イーターを構成する様々な機器の調達取決めが締結されて、各極で機器の製作が進められています。2020年頃からのプラズマ実験の開始を目指しています。イーターでは、重水素と三重水素を燃料とする本格的な核融合による燃焼が行われ、核融合出力500MW、エネルギー増倍率10を目標としています。

イーター計画に関するURL http://www.naka.jaea.go.jp/ITER/index.php(日本語)

イーター機構のURL http://www.iter.org/(英語)

4) KSTAR(Korea Superconducting Tokamak Advanced Research)

韓国大田市の国家核融合研究所に2008年に建設された超伝導トカマク装置です。

URL:https://www.nfri.re.kr/english/fusion/kstar.php (英語)


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