【用語説明】

1)強いレーザー光

よく身の回りで見かけるレーザーポインタの出力は0.1mW程度ですが、強いレーザーとは、これの10兆倍もの出力に相当します。

 

2)プラズマ状態

物質が電離し、イオンと電子に分離された状態。正負の荷電粒子からなり、それらが相互作用しながら集団的に運動している状態です。自然界では、蛍光灯の内部やキセノンランプ、オーロラなどでも見られます。幅広い分野で応用、研究され、工業用では、プラズマを用いた微細加工、プラズマディスプレイなどに応用され、研究用途としては、核融合で研究されたりしています。

3)電場

電荷に力を及ぼす空間の性質をいいます。ここでは、イオンの速度を大きくする力を及ぼす空間の性質です。

4)加速

速度を大きくすること。ここでは、イオンの速度を大きくすることです。

5)ポリイミド

プラスチックの一種。カプトンとも呼ばれる。ポリイミドはその優れた機械的・電気的・化学的特性、強い耐熱・耐寒性を示すという特徴から、先端産業に欠かせない素材として知られています。

6)元素合成過程

生まれたばかりの宇宙には、水素とヘリウムとわずかな軽元素しかありませんでしたが、我々を取り巻く環境中には、約90ものさまざまな元素が存在しています。宇宙における天体現象中でこれらの様々な元素が形成されてきたと考えられています(元素合成過程)。しかしながら、実はその詳細な経路が完全に理解されているわけではなく、理論的に予測されている元素合成の過程について、実験的に確かめていく必要があると考えられています。

7)ペタワット

ペタ(peta)は、1千兆のこと。1ペタワットは、1000億kWになり、日本全国の総発電量の約500倍のパワーになります。

8)大型加速器

電荷粒子の加速には、電場を用います。電荷を持った粒子を電場の中に置くと、加速されエネルギーが高くなります。よく使われている二つの典型的な加速器は、1)たくさんの電極を直線上に並べ、荷電粒子を高いエネルギーまで加速する線形加速器と呼ばれる装置(リニアックともよばれる)、2)電極は一つしかないが、磁石の中で荷電粒子をぐるぐる何度も回すことにより、何度も加速する円形加速器(サイクロトロンやシンクロトロンがこれに相当)、があります。より大きなエネルギーを得るためには、その装置の大きさ(線形加速器では長さ、円形加速器では半径)を大きくする必要があること、二次的に放射される電子線やX線の遮蔽のための防護壁をより厚くする必要があることが加速器全体の大きさの巨大化という問題点を招いています。


戻る