国立大学法人 筑波大学/独立行政法人 日本原子力研究開発機構/独立行政法人 科学技術振興機構

国立大学法人 筑波大学
独立行政法人 日本原子力研究開発機構
独立行政法人 科学技術振興機構

ダイヤモンドを用いて量子コンピュータの実現に不可欠な量子エラー訂正に成功
〜量子情報デバイスの実用化・量子コンピューティングの実現に前進〜

研究成果のポイント

  1. 室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功
  2. 量子コンピュータに必須の「エラー訂正」をしながら計算というエラー耐性を多量子ビットへ拡張可能
  3. 実用的な固体量子情報デバイス開発への道を開く

量子情報は、環境からのノイズによってたやすく壊されてしまうため、量子エラー訂正なしには量子コンピューティングは実現しないと言われてきました。

国立大学法人筑波大学(以下「筑波大学」という)磯谷順一名誉教授(筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター・前主幹研究員)、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」という)量子ビーム応用研究部門半導体耐放射線性研究グループ大島武リーダーらは、ドイツとの共同研究により、室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功しました。

ダイヤモンド中のカラーセンター*1の1つであるNVセンター*2の単一欠陥(単一分子に相当)を用いて、電子スピン*31個と核スピン3個からなるハイブリッド量子レジスタを作成しました。これを用いて、室温動作の固体スピン量子ビットでは世界で初めて、量子エラー訂正のプロトコルの実証に成功したものです。これは、量子情報デバイス、量子コンピューティングに必須の量子エラー訂正における大きなブレークスルーです。この成果により、量子中継器など、実用的な固体量子情報デバイス開発、量子コンピュータの実現に向けて大きく前進しました。

本研究は科学技術振興機構(JST)国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)日独共同研究(ナノエレクトロニクス)「ダイヤモンドの同位体エンジニアリングによる量子コンピューティング」(日本側研究代表者:磯谷順一筑波大学名誉教授、ドイツ側代表者ウルム大学Fedor Jelezko教授)の一環として行われました。

研究成果はNATURE誌に1月29日付け掲載予定です。

以上

参考部門・拠点:量子ビーム応用研究部門

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