【背景】

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた作業では、遠隔操作ロボットをはじめとした様々な材料・機器が、これまで用いられたことのない高放射線環境下で使用されることになると考えられます。これらの材料・機器を継続的に安全に使用するためには、耐放射線性の評価検討が必要です。

そこで原子力機構では、この評価検討の効率化を目的に、これまで論文や報告書等として蓄積されてきた多くの耐放射線性に関する情報をデータベース化しました。

【収録情報】

今回公開するデータベースには、様々な原子力施設で利用されている材料や機器の耐放射線性に関する情報が収録されています。原子力機構の報告書等33報、学術論文誌等38報、会議資料等30報、その他報告書等9報から抽出された、高分子材料423件、機器・部品223件、油脂・塗料103件、有機複合材料129件の計878件が収録されており、検索条件を指定して検索結果を絞り込むことができます。

また、検索条件として以下の5項目を任意に組み合わせて指定することができ、放射線環境下で試験された材料や機器にはどのような種類があるのか、どの程度の放射線量に耐えるのか等の情報を簡単な操作で検索することができます。

・大分類:
高分子材料、油脂・塗料、有機複合材料、機器・部品
・小分類:
例えば高分子材料の場合は、エポキシ樹脂、エラストマー、熱可塑性樹脂など
・放射線の線種:
ガンマ線、電子線、イオンビーム など
・試験雰囲気:
空気(Air)、窒素雰囲気(N2)、酸素雰囲気(O2) など
・名称:
ポリエチレン等の名称を直接入力

また、原子力機構の報告書等が出典元である場合には、ウェブサイトアドレス(URL)も収録しました。このようなデータベースはこれまで公開されておらず、原子力施設や加速器施設などの放射線環境下で使用する材料・機器の検討作業にも有用です。

【利用可能な環境】

本データベースは、Microsoft社のアクセス2010により作成されており、Microsoft Windowsが動作するパーソナルコンピューターにインストールすることで、利用可能となります。本データベースの動作には、Microsoftアクセス2010またはアクセス2010ランタイムが必要となりますが、アクセス2010ランタイムは、本データベースの配布パッケージにも収録されておりますので、アクセス2010をお持ちでない方もすぐにご利用いただけます。

なお、出典元文献のウェブサイトを参照する際には、インターネットへの接続とAdobeリーダー等のPDF形式のファイルを閲覧できるソフトウエアが別途必要となります。

【入手方法】

このデータベースは財団法人高度情報科学技術研究機構のホームページ(http://www.rist.or.jp/nucis/)を通じて無償で配付されており、申請手続きを行うことにより自由に利用できます。


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