(注1) | 負の熱膨張:通常の物質は温めると体積や長さが増大する、正の熱膨張を示す。しかし、一部の物質は温めることで可逆的に収縮する。こうした性質を負の熱膨張と呼び、ゼロ熱膨張材料を開発する上で重要である。 |
(注2) | ゼロ熱膨張材料:温度を変化させても伸び縮みしない材料。ナノテクノロジーを支える精密な位置決めのために重要。正の熱膨張を持つ物質と負の熱膨張を持つ物質を組み合わせることで実現する。 |
(注3) | ペロブスカイト:一般式ABO3で表される元素組成を持つ、金属酸化物の代表的な結晶構造。 |
(注4) | 線熱膨張係数:温度を1K変化させたときの、長さの相対的な変化量。 |
(注5) | 中性子回折実験:物質の構造を調べる方法。原子炉や加速器で生み出される中性子を試料に照射し、回折強度を調べることで結晶構造(原子の並び方や原子間の距離)を決定する。 |
(注6) | X線吸収実験:連続的なスペクトルを持つ放射光X線を、エネルギーを変化させながら試料に照射し、透過してきたX線の強度を分析することで原子の価数や電子状態についての知見を得る。 |
(注7) | 放射光X線回折実験:物質の構造を調べる方法。放射光X線を試料に照射し、回折強度を調べることで結晶構造(原子の並び方や原子間の距離)を決定する。 |
(注8) | 格子定数:結晶構造中の原子の繰り返し周期の長さ。この変化が、物質の巨視的な長さの変化につながる。 |
(注9) | 歪みゲージ:試料に貼り付け、その長さの変化を電気抵抗の変化に変換する装置。 |
“Colossal negative thermal expansion in BiNiO3 induced by intermetallic charge transfer”
金属間電荷移動によって引き起こされる、BiNiO3の巨大負の熱膨張