別紙
医薬基盤研究所の拒絶反応をなくしたスーパーSCIDマウスにヒトがん細胞・組織移植維持した放射線・医薬品の前臨床評価システムを用いる。(ヒトがんがマウスの体内で増殖している状態にある。)
原子力機構の光医療研究連携センターでは、レーザー加速技術を応用して、超小型粒子線がん治療装置の開発を進めている。
5月25日、26日に光医療研究連携センターにおいて、新たに開発した「レーザー駆動陽子線細胞照射装置」を用いて、エネルギー2 MeVの陽子線をヒト中皮腫細胞株及びヒト前立腺がん細胞株に対して照射し、これを直ちに(独)医薬基盤研究所に搬送して、スーパーSCIDマウスの皮下に移植した。現在、経過を観察中であり、2-3カ月後に、移植したヒトがん細胞がマウスに生着、増殖、転移する確認を行う予定である。
また、上記の前臨床実験と並行して、5月21日、28日に、ヒト唾液腺がん細胞株に対する陽子線照射を行い、生存率に関する生物学的効果比(RBE)を決定する実験を行った。
陽子線を照射したヒトがん細胞について、医薬基盤研究所においてスーパーSCIDマウスへの移植試験を行う。移植後、同研究所において、がんが増殖しているかどうかを確認し、陽子線照射を受けていない場合と比較し、増殖抑制効果があるかどうかの確認を行う。