別紙

【研究概要】

○3機関の協力体制

図1 リサーチトライアングル(開発、評価、臨床)

(1) 基盤研におけるヒト臓器・組織置換スーパーSCIDマウスを用いた前臨床試験評価システム

医薬基盤研究所の拒絶反応をなくしたスーパーSCIDマウスにヒトがん細胞・組織移植維持した放射線・医薬品の前臨床評価システムを用いる。(ヒトがんがマウスの体内で増殖している状態にある。)

図2 基盤研におけるスーパーSCIDマウスを用いた前臨床試験評価システム

(2)光医療研究連携センターにおける陽子線の発生及び陽子線照射装置の開発・試験

原子力機構の光医療研究連携センターでは、レーザー加速技術を応用して、超小型粒子線がん治療装置の開発を進めている。

図3 原子力機構の光医療研究連携センターで開発予定のレーザー駆動がん治療装置【概念図】

(3)光医療研究連携センターにおけるレーザー駆動陽子線のヒトがん細胞への照射試験

5月25日、26日に光医療研究連携センターにおいて、新たに開発した「レーザー駆動陽子線細胞照射装置」を用いて、エネルギー2 MeVの陽子線をヒト中皮腫細胞株及びヒト前立腺がん細胞株に対して照射し、これを直ちに(独)医薬基盤研究所に搬送して、スーパーSCIDマウスの皮下に移植した。現在、経過を観察中であり、2-3カ月後に、移植したヒトがん細胞がマウスに生着、増殖、転移する確認を行う予定である。

また、上記の前臨床実験と並行して、5月21日、28日に、ヒト唾液腺がん細胞株に対する陽子線照射を行い、生存率に関する生物学的効果比(RBE)を決定する実験を行った。

図4 がん細胞が入った培養カプセルを「レーザー駆動陽子線細胞照射装置」に設置する様子(原子力機構 関西光科学研究所 光医療研究連携センター)

(4) 基盤研におけるヒトがん細胞・組織のスーパーSCIDマウスでの増殖抑制効果の判定

陽子線を照射したヒトがん細胞について、医薬基盤研究所においてスーパーSCIDマウスへの移植試験を行う。移植後、同研究所において、がんが増殖しているかどうかを確認し、陽子線照射を受けていない場合と比較し、増殖抑制効果があるかどうかの確認を行う。

図5 スーパーSCIDマウスへの細胞移植の概念図

(5)兵庫県立粒子線医療センターにおけるシンクロトロン駆動各種量子線との比較ならびにレーザー駆動量子線を用いた臨床試験の実施

図6 兵庫県立粒子線医療センターのシンクロトロン駆動量子線照射設備


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