【補足説明】

J-PARCの加速器は、第1段目のリニアック、第2段目の3GeVシンクロトロン、最終段の50GeVシンクロトロンで構成されています。最終段の50GeVシンクロトロンは、第2段目の加速器である3GeVシンクロトロンから入射された3GeV(30億電子ボルト、光速の約97%のスピード)の陽子ビームを、50GeV (500億電子ボルト、光速の約99.98%のスピード)まで加速することを目指している陽子シンクロトロンで、1周約1600m、直径約500mの我が国最大の陽子加速器です。3GeVシンクロトロンと同様に、新磁性材料を活用して開発された従来比約2倍の加速電界を持つ高周波加速システムなど、随所に世界最先端の機器を使用した装置です。また、遷移エネルギーというシンクロトロンに特有の加速ビームが不安定になるエネルギーが存在しない磁石配置を世界で初めて実現した加速器でもあります。

50GeVシンクロトロンでは、引き続きもうひとつの実験施設であるニュートリノ実験施設において、30GeV陽子ビームを用いて発生させたニュートリノビームを、岐阜県飛騨市神岡町に設置されているスーパーカミオカンデに向けて打ち込む「T2K長基線ニュートリノ振動実験」を予定しており、平成21年4月からの実験開始に向けて準備を進めています。

資料1)J-PARC全景(航空写真)

資料2)陽子加速器による二次粒子ビーム発生のしくみ(模式図)


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