用語解説

*1 鉄系高温超伝導体
東京工業大学細野研究室による新規超伝導体LaFeAsO1-xFxの発見は、平成20年2月に米国化学会誌(Journal of American Chemical Society)に発表されました。その後、類似の物質で超伝導転移温度が55Kまで上昇し、世界的に注目されています。
この研究成果は、独立行政法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業発展研究(ERATO-SORST)の中で得られたものであり、同機構は平成20年10月に研究領域「新規材料による高温超伝導基盤技術」を急遽発足させました。この研究集会は上記研究領域からの援助を受けています。
*2 大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)
J-PARCに設置されている加速器からのパルス陽子ビーム(3GeV, 25Hz, 333µA)により世界最高強度のミュオン及び中性子ビームを発生させ、これらを用いて、物質科学/生命科学研究を推進させることを目的とする中性子実験施設のことです。平成20年5月30日に、記念すべき最初の陽子ビームを受入れ、中性子の発生、そして9月に初めてのミュオンビームの取り出しに成功し、12月に利用実験への供用を開始しました。
*3 研究用原子炉JRR-3
JRR-3は昭和37年に、わが国初の国産研究炉として臨界に達した後、原子力の黎明期を支える多くの研究に活用されました。その後、性能向上を目指した改造を行い、平成2年、出力 20 MW の高性能汎用研究炉として利用運転を再開しました。JRR-3に設置された中性子実験装置では、種々の中性子ビーム実験が行われ、高分子の構造解析による生命現象の解明などにも役立っています。
*4 SPring-8
SPring-8は平成9年に利用が開始され、軟X線から硬X線までの広いエネルギー範囲で世界最高輝度の放射光を発生させることのできる第3世代の大型放射光施設です。理化学研究所と日本原子力研究所(現、日本原子力研究開発機構)によって播磨科学公園都市に建設され、現在は、理化学研究所と財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)により運営されています。

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