用語解説

1)放射性廃棄物
原子炉施設、核燃料サイクル施設、ラジオアイソトープ使用施設などから発生する放射性物質を含む廃棄物。
2)24Na
主に23Na(n,γ)24Na、24Mg(n,p)24Na、27Al(n,α)24Naなどの核反応により生成される放射性核種。半減期(放射能が半分になるまでの時間)は約15時間であり、中性子線照射直後から2〜3日程度の期間において被ばく線量への寄与が大きい核種である。
3)崩壊ガンマ線
ガンマ線は原子核から放出される電磁波であり、放射性核種の崩壊に伴い放出されるものを崩壊ガンマ線という。
4)放射性核種
放射性同位体、放射性同位元素、ラジオアイソトープ(RI)などともいう。同一元素に属する(すなわち同じ原子番号をもつ)原子の間で原子量Aが異なる原子を同位元素という。このうち放射能をもつ同位元素を放射性同位元素という。
5)被ばく線量
人体が放射線にさらされることを被ばくといい、このときの放射線の量を被ばく線量という。
6)誘導放射能
核反応の結果生じた放射能を誘導放射能という。
7)低放射化コンクリートの新しい製作手法
従来の低放射化コンクリートでは、不純物質を多く含む骨材(砂や石)に着目し、石灰石骨材を用いることによって、低放射化特性を実現している。このようなコンクリートでは、セメントに由来する不純物質成分が、放射化特性に大きく影響を及ぼすようになる。そこで、更なる低放射化を実現させるために、セメントの一部を不純物が少ない石灰石微粉末に置換することにより、低放射化コンクリートを製作した。
8)FNS: Fusion Neutronics Source
核融合炉の開発に必要な基礎実験を行う目的で原子力機構内に建設された核融合中性子工学研究用のD-T中性子線源施設。線源は、重陽子(D)-トリチウム(T)反応による14MeV単色中性子で、国内最大クラスの強力な中性子線源施設である。MeVは一般に粒子のエネルギーを表す単位。ここでは中性子のエネルギーをあらわす。
9)PET: Positron Emission Tomography
PETとは陽電子検出を利用したコンピューター断層撮影技術である。陽電子反β崩壊する核種で標識された化合物を放射性トレーサーとして用いる。そのような核種の半減期は一般に短い(15O: 2分、13N: 10分、11C: 20分、18F: 110分など)。そのため、投与直前にサイクロトロン等を用いて製造される。

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