別添
 
「SC|07」における「2007年度優秀賞(Finalist)」受賞について
 
 米国ネバダ州リノ市で11月10〜16日(現地時間)にかけて開催された世界最大の高性能計算機科学に関する国際会議「2007年度スーパーコンピュータ国際会議:SC|07(The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis)」において、システム計算科学センター高度計算機技術開発室研究副主幹 鈴木喜雄 他4名の発表した「Cognitive Methodology-based Data Analysis System for Large-scale Data」(邦題:「大規模データ考察システム」)が、大規模解析技術コンクールの最優秀賞受賞候補2論文の一つに選出され、選考の結果「2007年度優秀賞(Finalist)」を11月15日(現地時間)に受賞しました。
 原子力分野では実験装置や計算機から出力される膨大なデータを効率的に解析し、研究開発を進める必要があります。原子力の研究開発では、膨大な数の原子レベルの粒子を対象にした実験やシミュレーションから、原子力施設という巨大かつ膨大な数の部品や機器集合の問題までを扱うため、生み出されたデータを効率的に解析できないという問題がありました。
 そこで、大規模実験やシミュレーションにより生み出された膨大なデータに対して、物が壊れるかどうかといった具体的な評価指標を設定し、損傷の程度を評価尺度とし、さらに負荷の程度を評価基準とすることで、研究者が注目したいデータ群候補を効率的に抽出する能動的な評価支援技術を考案し、その開発に成功しました。
 今回の研究開発では、膨大なデータを先進的な計算科学技術を駆使して推論的に分析する技術や、自動的に必要なデータを抽出するデータマイニング技術を実現し、これらを用いることで、人間があるがままのデータの状態から作業をするよりも、効率的な検討を行うことができる方法論を確立しました。
 その成果が「SC|07」の大規模解析技術コンクールで国際的にも高く評価され、今回の受賞につながりました。


 

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