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用語解説 |
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1)ホールドダウン軸 ホールドダウン軸は、燃料交換機で炉内から燃料を引抜く場合に、周囲の燃料が一緒に抜けないよう、これを抑えることを目的とした円管である。 ホールドダウン軸には、常時原子炉容器内に設置され、現在は案内管として使用している旧ホールドダウン軸と、これに代わって燃料交換機側に設置され、原子炉運転中は燃料交換機と共に取り外される、新ホールドダウン軸がある。 2)崩壊熱 放射性物質はα線、β線あるいはγ線などの放射線を放出して崩壊するが、このエネルギーは周辺の物質に吸収されて、最終的には熱に変わる。このため、原子炉の運転を停止しても放射性物質の崩壊によって熱が生じる。これを崩壊熱という。 3)回転プラグ 回転プラグは偏心してそれぞれ独立に回転する大回転プラグと小回転プラグからなる。大回転プラグの径は最大約4,700mm、小回転プラグ径は最大約2,870mmであり、約500mm偏心して設置されている。大小それぞれの回転プラグの回転角度を組合わせることにより炉心及び炉内ラックの任意の位置に燃料交換機を移動させる仕組みとなっている。 本プラグは冷却材上部の不活性カバーガスのシール、炉心からの放射線遮へい及び燃料交換機の移動等の機能を有している。 4)炉内ラック 燃料集合体等を炉内で貯蔵、冷却する他、材料の照射等を行う設備であり、炉心と同心の円周上に配置され、炉心燃料集合体等を入れるポットを収納できる構造となっている。 5)MARICO-2 照射試料である被覆管等の材料を、一定温度下で照射する照射試験用の実験設備である。今回使用したものは、計測線付実験装置の(温度制御型材料照射装置)2号機であり、MARICO-2(マリコ2号機)と称している。(MARICO:Material Testing Rig with Temperature Control) 温度制御は、アルゴンとヘリウムの混合ガス組成比を変え、照射試料キャプセルのギャップの熱伝達率を変化させる方式と、照射試料キャプセルの電気ヒータの出力を変化させる方式により行い、設定温度に対して±4℃以内に制御することができる。 実用炉の燃料被覆管材料の有力な候補材である酸化物分散強化型鋼(ODS鋼)の炉内クリープ破断強度データを取得することを主な目的としている。 6)ハンドリングヘッド 試料部の上端にある部品であり、試料部の取扱い・移送等を行う設備において、試料部を保持する。 7)ラッパ管 照射試料を装填し、温度計測や温度制御を行う照射キャプセルを収める管であり、他の炉心構成要素と同様に六角形の断面形状を持つ外套管をラッパ管という。 8)ルースパーツ 脱落した部品等。 9)カバーガス 冷却材ナトリウムの酸化等を防ぐために、原子炉容器や主冷却系機器内のナトリウム液面上部の空間に満たされた気体であり、化学的に不活性なガスであるアルゴンガスが使用されている。 10)切り離し作業 MARICO-2は、試料部、保持部及び駆動部より構成される。 MARICO-2の脱荷時には、試料部を照射後試験施設に払い出すため、試料部と保持部を切り離す必要がある。このため、MARICO-2の脱荷に際しては、試料部から保持部に繋がっているケーブル類を切断し、保持部と試料部の切り離し作業を行う。 |
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