*1) | 宇宙線 宇宙空間を高速で飛び交い地球に降り注いでくる粒子群を宇宙線と呼びます。地磁気に補足された比較的エネルギーの低い放射線から、超新星爆発などで加速された極めてエネルギーの高い放射線まで、様々な放射線が含まれます。また、大気に入射した宇宙線と大気中の酸素や窒素などの原子核との核反応により放出された中性子やμ粒子などは2次宇宙線と呼ばれます。 |
*2) | 航路線量計算システム(JISCARD) 国際線航空機に搭乗した際に受ける宇宙線による被ばく線量(実効線量)を計算表示するインターネットツールで、放医研で開発されました。平成17年9月15日より放医研のホームページ(http://www.nirs.go.jp/research/jiscard/index.shtml)で一般に公開されています。JISCARDとは、Japanese Internet System for Calculation of Aviation Route Dosesの略。 |
*3) | 航空機乗務員の宇宙線被ばく 航空機内は、地表面と比べて宇宙線の強度が強く被ばく線量率が高い状態にあり、航空機乗務によって付加的に受ける線量は、公衆の線量限度である年間1mSvを超える場合があります。航空機乗務員の宇宙線被ばく管理ガイドラインが策定され、被ばく線量を精度よく評価する為の手法を確立する必要性が高まっています。 |
*4) | 放射線審議会 放射線障害の防止に関する技術的基準の斉一を図ることを目的として文部科学省に設置されている諮問機関。 |
*5) | 太陽活動の周期的変動 太陽には活発な時期と静穏な時期があり、約11年周期で変動しています。太陽活動が活発になると、太陽磁場が強くなり太陽系の中に入り込む銀河宇宙線の数が減少し、私たちの宇宙線被ばく線量率は小さくなります。ただし、巨大な太陽フレア現象が発生した場合は、太陽起源の宇宙線が地磁気圏内まで到達し、一時的に宇宙線被ばく線量率が高くなる可能性があります。 |
*6) | 放射線輸送計算コード 放射線が、物質中で核反応や電離などの相互作用をしながら移動する現象をシミュレーションするためのコンピュータプログラム。このプログラムを用いて放射線の輸送計算を行う際には、一般に、様々な核反応断面積などのデータを実験値や計算を通して評価し取りまとめたデータ(評価済み核データライブラリ)を利用します。 |
*7) | スペクトル ここでは粒子のエネルギー分布を指します。同じ種類の放射線でも、そのエネルギーが違うと人体に与える影響が変わります。したがって、宇宙線被ばく線量を評価するためには、その数(強度)だけでなく、エネルギーの分布、すなわちスペクトルを評価することが重要となります。 |
*8) | 地磁気カットオフリジディティ(Rc) 地球磁場が宇宙線をはじく力を意味します。地球は極めて大きな磁石と考えることができ、その磁場構造から、Rc値は極地方ほど小さく(宇宙線強度が強く)赤道付近ほど大きく(宇宙線強度が弱く)なります。単位には一般にGV(ギガボルト)が使われます。 |
*9) | 自然放射線 宇宙線や、自然界に存在しているカリウム40やウラン・トリウム崩壊系列核種などに由来する放射線を指します。この言葉は、原子力利用や放射線発生装置の利用によって発生する人工放射線と対比して用いられます。 |