用語解説 |
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中性子と水分子 水分子H2Oは2個の水素原子Hと1個の酸素原子Oで構成されています。中性子を用いると右図の赤丸のように水素原子が見えますが、X線では見えません。また、水素は正、酸素は負の電荷を帯びているので、水分子は矢印のように正負に分極(電荷が偏ること)しています。このことは、磁石がN極とS極を持つことと似ています。 |
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氷(コオリ)Ih(イチエッチ)と氷(コオリ)XI(ジュウイチ)
中性子回折 物質を構成する原子核と中性子との相互作用で発生する干渉性の弾性散乱。散乱角度と強度から、物質を構成する原子の配置等に関する情報を得ることが出来ます。散乱強度は原子核と中性子との相互作用の強さで決まるので、X線の場合と異なり水素のように軽い原子でも強い回折線が得られます。このため、中性子回折は水素や重水素の位置の決定に重要な役割を果たすのです。粉末試料の中性子回折では、回折パターンから原子の配置を求める結晶構造解析の方法の一つとしてリートベルト解析が用いられます。結晶構造解析において、解析の信頼性の目安をR因子(測定値と計算値の差を測定値で割った値)と呼び、この値が低い場合に正確な原子の配置が得られたと判断されます。今回の研究では、Ice XIの構造解析としては最も低いR因子(約5%)で水素原子の配置が得られました。 |
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