【用語解説】


負水素イオン
 原子・分子に電子が余分に付着し、全体として負に帯電したものを一般的に負イオンと言い、特に水素原子の負イオンのことを負水素イオンと呼ぶ。
 大量の陽子をリニアックからシンクロトロンへ入射することは技術的に難しいため、シンクロトロンへ入射する直前に負イオンの電子をはぎ取り、陽子にして入射することが必要になる。




リニアック(Linac)
 加速空洞を直線状(リニア)に並べ、粒子を直線的に加速する加速器の総称で、線形加速器とも呼ばれる。この方式では定常的にビームを取り出せるので、多くの粒子(大電流)の加速に適している。しかし、粒子は特定の加速空洞を1回しか通らないために、高エネルギー(粒子のスピードを高める)とするには数多くの空洞が必要となり、長い装置が必要になる。このため、高エネルギーとするには、同じ加速空洞を粒子を何度も通しながら加速することができる円形加速器(シンクロトロンなど)が用いられる。J−PARCのような高エネルギー大電流加速器の設計においては、リニアックと円形加速器を組み合わせ、効率的な加速を行う。


  リニアックの構成
    RFQ(Radio Frequency Quadruple)高周波四重極型リニアック
    DTL(Drift Tube Linac)ドリフトチューブリニアック
    SDTL(Separated-type Drift Tube Linac)機能分離型ドリフトチューブリニアック
    ACS(Annular Coupled Structure Linac)環状結合型リニアック(今後、設置を計画)
    SCC(Superconducting Cavity Linac)超伝導空洞リニアック(II期計画分)

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