(別添2)
 
高速実験炉「常陽」でのMA含有MOX燃料照射について
 
 5月24日から26日に予定している原子力機構・大洗研究開発センターの高速実験炉「常陽」の第3-1'サイクル運転において、マイナーアクチニド(MA)*1を添加した混合酸化物(MOX)燃料の短期照射試験を実施します。
 これは、原子力発電に伴い発生する放射性廃棄物の環境への負荷低減を目的として研究を進めているものであり、MAの核変換や照射による効果に関する実験的データが極めて少ないため、実際に「常陽」で試験用の燃料を照射してデータを取得します。MA含有MOX燃料の照射試験は、2回の短期照射試験の後に長期照射試験を予定しています。
 短期照射試験には、10分間の照射で燃焼初期の燃料温度を確認する試験と、24時間の照射で燃料ペレット内においてMAがどのように分布するかを確認する試験があります。
 今回の第3-1'サイクル運転は、前者の10分間の短期照射試験を行うもので、試験終了後は照射燃料集合体試験施設(FMF)に移送して、下図に示す照射した6本のMA含有MOX燃料ピンのうち2本を取り出し、切断面の写真観察により燃料温度を評価する計画です。残りの4本の燃料ピンについては、8月上旬の第3-2'サイクル運転において24時間の短期照射試験を行い、試験終了後に取り出して燃料ペレット内のMAの分布をX線微小領域分析装置で測定する計画です。




*1:マイナーアクチニドとは、ウランから核変換により生成する人工核種で、プルトニウムを除いたアメリシウム(Am)、ネプツニウム(Np)、キュリウム(Cm)等をいう。今回の試験ではAm、Npを含有する燃料を照射する。
以 上

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