1) | エルバラダイIAEA事務局長表敬訪問 |
![]() 理事長より以下の発言があった。昨年12月のノーベル平和賞受賞に対しお祝いを申し上げるとともに、新法人設立に当たり昨年10月に開催した設立記念式典においてビデオレターを頂いたことに感謝する。JAEAは約4,400名の職員のうち700名が博士号を有している。年間予算は約20億ドル。主な研究開発は、高速炉・核燃料サイクル、廃棄物処理・処分、核融合研究、量子ビーム、原子力科学・基礎研究、安全研究等の分野である。新しい特徴として、核不拡散科学技術センターを設けて核不拡散に関する研究開発、政策的な提言等を実施する。我が国の原子力平和利用の特徴の一つに再処理方法がある。具体的には、プルトニウムを単体でなく、マイナーアクチニドと混合して処理する方法を開発している。今後も研究開発やIAEAとの人的協力を含めた協力を、全力を尽くして進めたい。事務局長に、5月に開催される第1回核不拡散科学技術国際フォーラムでの特別講演をお願いしていたところ、残念ながら不参加となったが、IAEAから代表が来て頂くことになり大変感謝している。次は、日本にて再びお会いできる機会があることを希望する。 これに対し、エルバラダイ事務局長より以下の発言があった。理事長の訪問に感謝する。世界における原子力研究開発への強いニーズに対し、JAEAが原子力の広い分野で重要な活動をしていることは嬉しい。将来のエネルギー戦略として、原子力と太陽エネルギー開発へのサポートが重要。原子力では、安全、保障措置、廃棄物処理・処分の三つがPAにとっても重要課題。JAEAとはそれ以前のJAERI、JNCの時代から協力を進めており、専門性、人材の面での緊密な協力が重要であることが今や世界のコンセンサスとなっている。JAEAからの優秀な人材がIAEAで活躍していることは嬉しい。是非多くの職員、特に若い人に来てもらい、良い仕事をして頂くことを歓迎する。今後も協力を強化して行きたい。5月のフォーラムに参加できず申し訳ないが、ハイノネン事務次長が代理で出席する。次の機会には日本を訪問したいと考えている。 これに対し理事長より、人的貢献について、若くて能力のある者を出す努力をしたい旨返答し、会談は和やかな雰囲気の中で終了した。 |
2) | 各事務次長との懇談 |
![]() 理事長より、「新法人の概要を説明するとともに、日本で唯一最大の原子力研究機関としてIAEAとより広範な協力を行っていきたい。また、5月に東京で開催される第1回核不拡散科学技術国際フォーラムにIAEAから代表者が参加して頂けることに謝意を表する。JAEAに対し、IAEAからの要望、注文等を聞かせてもらいたい。」との発言があった。 それに対して、事務次長側から以下の発言があった。このように事務次長が集るのは珍しいことであり、この会合を設けていただいた事に感謝する。IAEAでの日本人正規職員は現在約20人程度で少な過ぎる感があり、優秀な人材をIAEAに派遣し日本のプレゼンスを高めて欲しいとの要望があった。また、現在、IAEAでは女性の職員を増やし、女性が働きやすい環境を整備する努力をしている。女性の科学技術者にはインターン等の機会を通して国際的な舞台での職業経験をして欲しい。そして彼女達が再びIAEA等に戻ってきて仕事ができる環境整備を是非お願いしたいとの発言があった。ITERがカダラッシュに決まり、これから本格的に稼動する。日本は青森が選に漏れてしまって残念だが、サイト以外の殆ど全てを獲得し、重要な役割を果たしている。是非、JAEAの優秀な研究者がカダラッシュに来ていい仕事をされることを望む。 |