人形峠製レンガの物性確認試験について

原子力機構は、人形峠製レンガの物性確認試験を第三者機関である財団法人原子力安全技術センターに依頼しました。原子力安全技術センターでは、同センターが委嘱した専門家(第三者評価委員会)に以下の結果を示し、その審議・検討結果を踏まえ、人形峠製レンガは、一般に使用するに当たり、放射線上及び性能上、特に留意すべきことはないと判断しています。

@レンガの均質性
 調整原料やレンガ製品の表面線量などの測定結果から、原料が均質化されており、放射線量に偏りのないレンガ製品が製造可能。

Aレンガの性能
 外観、寸法、吸水率、圧縮強さは、「普通れんが」のJIS規格に準じた性能を確認。

Bウラン等の含有量
 平均ウラン濃度は原料で0.67ベクレル/グラム、レンガ製品で0.57ベクレル/グラムであり、国際原子力機関(IAEA)が定める規制除外のための放射能レベル1ベクレル/グラムを下回っている。土壌汚染対策法の基準値以上の特定有害物質は確認されなかった。

Cウラン等の溶出試験
 ウラン鉱山等の施設から一般地域へ排出される場合の排水基準を参考にして比較すると、ウランで約10,000分の1、ラジウムで約100分の1であった。

Dラドン散逸率測定試験
 模擬歩道試験(レンガを2メートル×2メートルに敷設)でのラドン散逸率は0.013ベクレル/平方メートル/秒であり、一般の土壌と同程度。

E使用シナリオによる評価
 模擬歩道試験の実測と評価・計算コードによる評価結果から、20メートル×500メートルの広場にレンガを敷設して広場中央に1日平均約5時間いても、年間被ばく線量は0.22ミリシーベルトとなり、一般公衆の年間被ばく線量限度1ミリシーベルトを十分に下回っている。

* 1ミリシーベルト=1,000マイクロシーベルト


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