佐藤 正幸
人に本当に必要とされるものに関わる仕事がしたい──
学生の頃からの夢がまさにここで叶えられています。
研究炉加速器管理部
JRR-3管理課
平成18年度採用
電気工学科卒
平成24年度取材
私は現在、JRR-3という研究用原子炉に勤めています。JRR-3は機構内外の研究者が、中性子ビーム実験を筆頭に、良質な中性子の利用を目的とする研究を行うために利用する原子炉です。
所属する技術管理係は、JRR-3の運転計画、定期自主検査工程の調整、原子炉の円滑な運転、保守作業、施設定期自主検査等の実施に資する業務を行っています。
その中で私は主に、JRR-3及びJRR-4の運転に係る水・ガス、具体的には原子炉燃料を冷却するための1次冷却材(軽水)、反射材(重水)、反射材重水のカバーガスであるヘリウムガス等の分析・管理を担当しています。
原子力機構は統合以前から数々の功績を積み上げ、今や世界を牽引する組織となりました。
東日本大震災による原発事故対応において、今後はさらにその真価が問われる状況にあり、その一員としてはあらためて身が引き締まる思いです。
身近なところでもおおいに期待されていることを感じます。
注目されているということは、それだけ重要な立ち位置にいるということです。
とても光栄なことだと思いますし、そこにやりがいを感じています。
人にとって本当に必要とされているものはなんだろう?
それに携わる仕事がしたい──学生の頃からそのような社会人生活を思い描いていました。
工業高校の3年間、高専編入後の2年間で電気工学を専攻したのは、それが理由です。
そして就職先を探し始めたところで、教授に「原子力機構がいいのではないか」と勧められました。
原子力機構のことは、茨城県生まれ、茨城県育ちとしては当然知っていましたし、見学会にも何度か参加したことがあったので、どういうところかもある程度わかっていました。
JRR-3は国産一号炉として誕生して以降何十年もの歴史を刻んできた、日本が世界に誇る素晴らしい施設の一つであり、私自身も誇りに思っています。
その歴史を積み上げ、また継承してきた偉大な先輩方を追い越すことは難しいにしても、せめてその名を汚さないような存在にはなりたいです。
そのために現在は平日の業務終了後に茨城大学の夜間コースに通って、コンピュータやメカ技術を中核とした幅広い融合分野の修得に励んでいます。
原子炉は工学的専門分野のいわば結晶体。
さまざまな分野の知識を持てば、それだけ貢献できるので、手応えは大きいです。
入構してから出会った先輩方がオフも充実させているのを見て、大きな影響を受けました。
私も社会人になってからいろいろなことを始め、最近では土日は近所のトレーニングジムで汗を流したり、茨城町の乗馬クラブや水戸のアーチェリー場に通ったり、あるいは地元のひたちなか市内をサイクリングしたりと大忙しです。
当初は打ち込めるものを一つ見つけるつもりだったのですが、どちらかといえば多くのことを同時進行でやっている方が私の性格に合っているようです。
何にでも興味を抱くこと、それらに挑戦し続けることが私のモットーであり、人生のテーマでもあります。
学生時代は比較的自由な時間がたくさんありますが、社会人になるとそれが大きく縛られてしまいます。
「あの時ああしておけば良かった」などと思う瞬間が、誰しも必ずやってくるはずです。
学業ももちろん大切ですが、貴重な時間に何かに打ち込んでみてください。
それが社会に出てから大きな財産となります。
バイタリティのある人材をお待ちしています。