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北垣 徹

北垣 徹

北垣 徹

事故後の日本の研究者に求められている役割は大きい。
長期的な視野で海外機関と協力、問題解決を目指す。

バックエンド研究開発部門
核燃料サイクル工学研究所
環境技術開発センター
福島技術開発試験部 研究計画課

平成20年度採用
原子核工学専攻(平成20年修士課程修了、平成28年博士後期課程修了)

平成28年度取材

現在のお仕事について教えてください。

福島第一原子力発電所(1F)では、高温の燃料とコンクリートが混じり合って反応した(MCCI)生成物ができています。私の仕事は、いずれそれを取り出す必要があることを踏まえて、どのようなものが生成されているのかを推測する性状評価を行うことです。現在は、熱力学平衡計算によって生成物の相状態を評価すること、実験室規模で模擬核燃料とコンクリートの高温反応試験を実施して、生成物を分析することに取り組んでいます。また、フランスのCEA(原子力・代替エネルギー庁)と協力して、1Fを模擬した大規模MCCI試験の実施や試験生成物の特性評価も進めています。

機構の役割とここで働くことの魅力について教えてください。

北垣 徹

私が関わっている仕事の範囲で言えば、機構の役割は、原子力に関わる諸問題(福島第一原子力発電所の廃止措置や放射性廃棄物の安定化など)を研究開発により解決することだと考えています。国家プロジェクトとして研究開発を進め、成果が重要な役割を持って実際に活用されることには、大きなやりがいを感じます。また、海外諸機関との密な協力関係に基づく研究開発、国際プロジェクトの推進に携われることも魅力です。特にCEAとの関係については、協定の締結から関わり、私自身がまず1年間(平成26年4月から平成27年3月)留学しました。その後も、私が所属する部署から毎年1名程度の若手職員が留学して、関係の発展と研究成果の蓄積に努めています。CEAは事故研究の歴史も長いので、この協力関係は非常に有意義です。

志望動機を教えてください。

北垣 徹

高校時代から、資源の乏しい日本のエネルギー問題や地球温暖化問題を解決する手段として、原子力エネルギーの可能性には強い興味を持っていました。そこで、大学の学部では機械系の勉強をして、大学院の修士課程で原子核工学を専攻しました。修士課程を終えて就職を考えた時、当時は高速増殖炉サイクルの実現に大きな期待がかけられており、私自身も自分が学んできたことを生かして、その研究開発に携わりたいと思ったので、主導的に取り組みを進めていた原子力機構への入構を志望しました。

自分の未来、目標は?

北垣 徹

福島第一原子力発電所事故により、それまであまり目が向けられていなかった、原子力に関わる諸問題が明らかになりました。そこから、機構における私自身の仕事も、高速増殖炉サイクルの実現に向けた研究から、福島第一原子力発電所の廃止措置に向けての研究へと一転しました。当時は戸惑いもありましたが、現状を見つめ、原子力発電所の安全性向上や放射性廃棄物の長期安定化などの核燃料サイクルの課題を研究開発により解決することが、新たに目指すべき方向であると意識を切り替えました。仕事をしながら博士課程に入学して、事故による溶融燃料の処理に関する研究を行ったのも、その考えに基づいています。将来的には、原子力エネルギーを最大限有効利用することを可能にして、そもそも原子力に関心を抱いた理由である、地球温暖化の抑止に貢献したいと思っています。

OFFの過ごし方は?

博士課程に在籍していた間は、もっぱらその研究に週末を充てていたので、オフらしいオフもなかったのですが、修了してからは、家族で過ごす時間を大切にしています。それでも、まだ子どもが小さいので、買い物や数十キロ圏内の地元の観光スポットに遊びに行くことが多いです。メジャーではなくても、家族でのんびりするにはちょうどいい場所が結構あるので、あらためて地元探索を楽しんでいるところです。

学生へのメッセージをお願いします。

北垣 徹

日本の原子力業界は極めて厳しい状況ですが、福島における事故を経て、日本の研究者には果たすべき役割がたくさんあり、海外から期待もされています。世界的には原子力に対する需要はまだ増加傾向にあり、長期的な最適利用に向けて、大きな事故を経験した日本の研究者は、実際的な研究を行い、その成果を発信して、国際的な貢献をすることができます。広い視野を持ち、現実をもとに、自分に何ができるのかを前向きに考えられる人であれば、この機構で活躍できる機会はおおいにあると思います。若さと情熱で新しい原子力エネルギーの活用法を開拓し、日本の原子力業界を活性化させて欲しいと願っています。

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