| 2.3 再処理施設の設備概要 東海再処理施設は、軽水型原子炉(PWR、BWR)及び新型転換炉原型炉(ATR)の使用済燃料を対象として再処理し、プルトニウムとウランを回収し、核分裂生成物を処理する施設である。 原子力発電所からの使用済燃料は、輸送容器から取り出し、一定期間貯蔵プールで貯蔵冷却後、数センチの長さにせん断し、硝酸溶液で溶解する。溶解液は、溶媒抽出法(溶媒として30%TBP-70%nドデカンを使用)によりウランとプルトニウムを含む溶液と核分裂生成物を含む溶液に分離し、このうち核分裂生成物を含む溶液は廃棄物として処理する。ウランとプルトニウムを含む溶液は、さらに、ウラン溶液とプルトニウム溶液に分離した後、それぞれ蒸発濃縮及び加熱により硝酸及び水分を除去し、粉末(ウランは三酸化ウラン、プルトニウムはウランと1:1に混合した二酸化物)として回収する。 軽水型原子炉使用済燃料は低濃縮ウラン燃料であり、初期ウラン濃縮度最高4%、燃料集合体1体当たりの燃焼度最高35,000MWD/t以下、1日当たり処理する使用済燃料の平均燃焼度28,000MWD/t以下のものである。なお、使用済燃料の比出力と必要冷却期間は次のとおりである。 ・比出力35MW/t以下 ;180日 ・比出力36〜40MW/t以下;182日 ・比出力41〜45MW/t以下;183日 新型転換炉原型炉使用済燃料のうち低濃縮ウラン燃料は、燃料集合体1体当たりの初期濃縮度最高2.3w/o、燃料集合体1体当たりの燃焼度最高30,000MWD/t以下、1日当たり処理する使用済燃料の平均燃焼度約17,000MWD/t以下、比出力20MW/t以下、必要冷却日数2年以上のものである。また、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料は、燃料集合体1体当たりの燃焼度最高20,000MWD/t、1日当たり処理する使用済燃料の平均燃焼度タイプA燃料約12,000MWD/t、タイプB燃料約17,000MWD/t以下、比出力20MW/t以下、必要冷却日数2年以上のものである。 処理能力としては、軽水型原子炉及び新型転換炉原型炉使用済燃料の低濃縮ウラン燃料は、1日当たり最大0.7トン(金属ウラン換算)、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料は、タイプA燃料が1日当たり最大0.7トン(金属ウラン・プルトニウム換算)、タイプB燃料が1日当たり最大0.43トン(金属ウラン・プルトニウム換算)である。 なお、高速増殖原型炉もんじゅの使用済炉心燃料及び使用済ブランケット燃料並びに高速実験炉の使用済ブランケット燃料を用いた高速炉燃料再処理技術開発を行うリサイクル機器試験施設を建設中である。 再処理工程の概要を資料2.3-1に示す。 2.3.1 施設の配置 東海事業所は、茨城県那珂郡東海村の南東端の平坦地に位置し、東側は太平洋に面しており、その敷地面積は約110万2である。再処理施設は、東海事業所の北東部に位置し、その敷地面積は約15万2である。再処理施設の配置を資料2.3-2に示す。 再処理施設の各建家は、分離精製工場(除染場を含む)と廃棄物処理場を分析所にそれぞれ通路で接続し、これら建家の北部にスラッジ貯蔵場、第二スラッジ貯蔵場、廃溶媒貯蔵場、廃溶媒処理技術開発施設及び焼却施設を、南東部に高放射性固体廃棄物貯蔵庫、第二高放射性固体廃棄物貯蔵施設、第一低放射性固体廃棄物貯蔵場及び第二低放射性固体廃棄物貯蔵場が設置されている。また、低放射性の固体廃棄物の貯蔵施設の南側には、アスファルト固化技術開発施設のうち、アスファルト固化体貯蔵施設及び第二アスファルト固化体貯蔵施設が設置されている。分離精製工場の南西部には主排気筒を配し、分離精製工場とは排気ダクトで接続している。分離精製工場の西側にはクリプトン回収技術開発施設が、南側に隣接してプルトニウム転換技術開発施設及び高放射性廃液貯蔵場が、東側にウラン脱硝施設が設置されている。また、高放射性廃液貯蔵場の西側にガラス固化技術開発施設のガラス固化技術開発棟、ガラス固化技術管理棟及び付属排気筒(第2付属排気筒)が設置されている。廃棄物処理場の東側に隣接して第二低放射性廃液蒸発処理施設及び第三低放射性廃液蒸発処理施設が設置されており、これらの施設の南側にはアスファルト固化処理施設が設置されており、これらは順次通路で接続している。また、これら施設の北側に道路をへだてて、ウラン貯蔵所、第二ウラン貯蔵所、第三ウラン貯蔵所、中間開閉所及び第二中間開閉所が設置されており、第二ウラン貯蔵所の東側に浄水貯槽とポンプを備えた資材庫が設置されている。さらに、主要な施設の東側に道路をへだてて、放出廃液油分除去施設及びアスファルト固化技術開発施設の付属排気筒(第1付属排気筒)が設置されている。 なお、敷地境界から約10mのところを流れる新川をはさんで北方に日本原子力研究所、さらにその北方には日本原子力発電株式会社などの原子力施設があり、主排気筒から西約500mに国立青嵐荘病院がある。 敷地周辺の主要な都市として南西8km付近にひたちなか市、西南西14km付近に水戸市、北方18km付近に日立市がある。施設周辺の鉄道としては、JR常磐線が、主要な道路としては、国道6号線、国道245号線、常磐自動車道がある。 2.3.2 施設の構造及び設備 2.3.2.1 使用済燃料の受入れ施設及び貯蔵施設 受け入れる使用済燃料の種類は、軽水型原子炉使用済燃料及び新型転換炉原型炉使用済燃料であり、受入れ施設の主要な機器である天井クレーン設備、燃料取出し設備、燃料移動設備等は使用済燃料受入場(トラックエアロック、クレーンホールを含む)、燃料取出しプール及びカスク除染室に設置されている。貯蔵施設の主要な機器である燃料取扱操作設備、燃料貯蔵設備及び燃料移動設備は、貯蔵プール及び濃縮ウラン移動プールに設置されている。また、これらの付属設備として、プール水処理設備を設置している。使用済燃料の最大貯蔵能力は、金属ウラン換算で軽水炉燃料で140トン、新型転換炉原型炉燃料で80トン、双方合わせた場合は140トンである。 2.3.2.2 せん断処理施設 せん断処理施設の主要な機器であるせん断装置、燃料移動設備、分配器、天井クレーン、マニプレータ類等は、濃縮ウラン機械処理セル、濃縮ウラン溶解槽装荷セル、除染保守セル等に設置されている。なお、本施設において1回当たり取り扱う使用済燃料は1集合体とし、その種類及び最大処理能力は、軽水炉燃料にあっては金属ウラン換算で1日当たり1トン、新型転換炉原型炉燃料では金属ウラン換算又は金属ウラン・プルトニウム換算で1日当たり1トンである。 2.3.2.3 溶解施設 溶解施設の主要な機器である濃縮ウラン溶解槽、調整槽、給液槽、パルスフィルタ等は、濃縮ウラン溶解セル、給液調整セル、放射性配管分岐室及び分離第1セルに設置されている。濃縮ウラン溶解槽は、平板状の貯液部(スラブ部)の両側に円筒状の溶解部(バレル部)があり、その間を連通管で結んだ構造になっている。濃縮ウラン溶解槽1基当たり1日の最大処理量は金属ウラン換算で0.4トンである。濃縮ウラン溶解槽は、当初2基であったが、その後発生した溶解槽の故障のため、昭和59年11月に1基を追加設置し、現在は3基を回分式で運転している。なお、故障を起こした2基は、濃縮ウラン溶解槽の遠隔補修技術開発設備として使用されている。 パルスフィルタは溶解溶液中に含まれる不溶解残渣を除去するろ過装置であり、ろ材にステンレス焼結材が使われている。従来は1基であったが、抽出工程以降の安定運転と稼働率の向上を図るため、昭和63年の第1回計画停止時にもう1基を追加設置した。 2.3.2.4 分離施設 分離施設の主要な機器である抽出器は、分離第1セル、分離第2セル及び分離第3セルに設置されている。抽出器は、インペラを用いたミキサ部と上流に堰をもつセトラ部からなっており、ミキサ部では溶媒(30%TBP-70%nドデカン)と硝酸溶液(溶解液)を撹拌混合し、セトラ部ではこの両者を分離する。これを何段も組み合わせ、溶媒と硝酸溶液とを向流接触させることにより、硝酸ウラニル、硝酸プルトニウム及び核分裂生成物とを相互に分離する。本施設の最大処理量は、金属ウラン換算で1日当たり0.7トンである。 2.3.2.5 精製施設 精製施設はウラン精製系及びプルトニウム精製系から成り、主要な機器である抽出器及び蒸発缶は、分離精製工場のウラン精製セル、プルトニウム精製セル、プルトニウム濃縮セル及びウラン濃縮脱硝室並びにウラン脱硝施設の濃縮脱硝室に配置されている。プルトニウム溶液蒸発缶は、円筒型のカラム部(1本)及びボイラ部(2本)の自然循環式である。一方、ウラン溶液蒸発缶は第1段目の蒸発缶と第2段目の蒸発缶があり、第1段目の蒸発缶は円筒形カラム部及びボイラ部からなり、第2段目の蒸発缶は加熱コイルを有する円筒状のものである。なお、プルトニウム精製系での1日当たりの最大処理量は金属プルトニウム換算で7.6kg、ウラン精製系で1日当たり金属ウラン換算で0.7トンである。 2.3.2.6 脱硝施設 脱硝施設の主要な機器である脱硝塔は、分離精製工場のウラン濃縮脱硝室に1基、ウラン脱硝施設の濃縮脱硝室に2基設置されている。分離精製工場の脱硝塔は、濃縮度4%以下のウランを処理対象としており、1日当たりの最大処理量は金属ウラン換算で0.7トンである。一方、ウラン脱硝施設の脱硝塔は、濃縮度1.6%以下のウランを処理対象としており、施設の最大処理量は1日当たり金属ウラン換算で1トンである。 2.3.2.7 酸及び溶媒の回収施設 酸回収施設の主要な機器である酸回収蒸発缶及び酸回収精留塔は、酸回収セル及び酸回収室に配置されており、分離工程、精製工程、高放射性廃液濃縮工程等で発生する廃液から硝酸を回収するものであり、1日50m3以上の処理能力を有している。一方、溶媒回収施設の主要な機器である溶媒洗浄器及び希釈剤洗浄器は、分離第2セル及び分離第3セル並びにウラン精製セルの分離工程及び精製工程用抽出器の後流に配置されており、これらの工程から発生する溶媒を洗浄回収する。 2.3.2.8 製品貯蔵施設 プルトニウム製品は、プルトニウム製品貯蔵セルに中空円筒状槽(アニュラタンク:0.53×4基、0.7m3×3基)を製品貯槽として配置し、硝酸プルトニウム溶液の状態で貯蔵する。ウラン製品は、ウラン貯蔵所、第二ウラン貯蔵所及び第三ウラン貯蔵所に専用の三酸化ウラン容器に粉末の状態で収納して貯蔵する。ウラン貯蔵所においては濃縮度4%以下のウラン製品を貯蔵し、第二ウラン貯蔵所及び第三ウラン貯蔵所においては濃縮度1.6%以下の製品を貯蔵する。三酸化ウラン容器は、ウラン貯蔵所、第二ウラン貯蔵所にはバードケージに収納し、第三ウラン貯蔵所には貯蔵ピット内に貯蔵する。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||
|
2.3.2.10 放射線管理施設 放射線管理用機器は、 線量当量率、空気中放射性物質濃度、表面密度及び放射性気体廃棄物放出量の測定に使用するエリアモニタ、ダストモニタ、排気モニタ、臨界警報装置等の固定式の放射線モニタ(定置式モニタ)とこれらを補完するための測定に使用するサーベイメータ類、 放射能測定装置類並びに出入管理のモニタリングにおいて使用する出入管理装置の個別的放射線管理用機器、 被ばく管理を行う個人被ばく管理用機器に分類される。定置式モニタ設備は、管理区域内の主要な場所に検出器を設置し、これらの作業環境における放射線状況の変化を連続測定するものである。検出器からの測定信号は施設の位置及び現場の処理工程系統別等によって区分けし、各施設の安全管理室の放射線監視パネルに集中して連続指示・記録することにより連続監視する。定置式モニタは連続監視を行う中で測定値があらかじめ定められた警報設定レベルを超えた場合には必要な場所へ警報を発する。 臨界警報装置は、万一、臨界事故が発生した場合に直ちにこれを検知し、警報を発する。 環境放射能関係設備としては、クリプトン、ヨウ素及びダストを測定する排気モニタリング設備、排水モニタリング設備、気象観測設備、東海事業所内のモニタリングステーション、東海事業所外のモニタリングポイント、モニタリングカー及びモニタリング船を配置して監視している。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||
|
もどる |
||||||||||||||||||||||||||