地層処分にかかわる調査報告書の公開について

平成17年3月30日
核燃料サイクル開発機構

1.要旨
 旧動燃事業団(核燃料サイクル開発機構の前身)が実施した高レベル放射性廃棄物の処分予定地の選定にかかわる調査報告書のうち,すでに開示済みの7冊(平成11年開示:1冊、及び平成17年1月末開示:6冊)を除く調査報告書41冊と,広域調査地表調査シートの昭和63年度版1冊の合計42冊について,このたび自主的に公開することになりました。

 今回公開する報告書の内訳は以下のとおりです。(別添1参照(PDF形式、20kバイト))
   ・ 「可能性ある地層の調査」に係る報告書(24冊)
   ・ 「広域調査」に係る報告書(17冊)
    以上計41冊
   ・ 広域調査地表調査シート63年度版(1冊)

 現在,高レベル放射性廃棄物の処分予定地の選定は「原子力発電環境整備機構」によって全国の市町村を対象に公募方式により進められています。


2.動燃事業団の「可能性ある地層の調査」および「広域調査」について
昭和59年に「可能性ある地層の調査」から「広域調査」に移行しましたが,昭和62年に動燃事業団の処分予定地選定の役割がなくなり「広域調査」は途中で終了しました。
  「可能性ある地層の調査」について
 昭和50年代当時,高レベル放射性廃棄物の処分は国の責任において行うこと,そのための研究開発は当時の動燃事業団で行うこととされていました。 (昭和51年原子力委員会放射性廃棄物対策技術専門部会「放射性廃棄物対策に関する研究開発計画(中間報告)」,同年原子力委員会「放射性廃棄物対策について」,昭和53年原子力開発利用長期計画,他)
 また,原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会の報告書(昭和55年)において,地層処分にかかわる研究開発が次のように5段階を設けて行うことと示されました。
   第1段階:可能性ある地層の調査
 第2段階:有効な地層の調査
 第3段階:模擬固化体現地試験
 第4段階:実固化体現地試験
 第5段階:試験的処分
 第1段階における調査は,我が国に広く分布する地層,及び諸外国で研究されている地層のうち調査のできる地層を対象として,その特徴等を把握することが目的でした。具体的には,日本の地層の中から6岩種(花崗岩類,輝緑岩(塩基性岩類),泥質岩,石灰岩,ゼオライト質凝灰岩,変成岩)を選び,それらの代表的分布地を調査しました。
 
  「広域調査」について
 昭和59年8月(1984.8)の原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会の報告書「放射性廃棄物処理処分方策について(中間報告)」及び昭和60年10月(1985.10)の原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会の報告書「放射性廃棄物処理処分方策について」では,地層処分にかかわる研究開発を4段階で行うことが示され,旧動燃事業団が処分予定地の選定を行うこととされました。
 上記報告書では,処分予定地の選定は,先ず「広域調査」(複数地点において行われる地表踏査等による岩体規模等の調査)を実施し,その結果をもとに選定された候補地点において「精密調査」(水理機構調査,試すい等による岩体規模,岩石特性等の調査)を行い,それらの結果や並行して実施する地層処分研究開発の成果を総合評価して選定することが示されていました。
 しかし,その後,昭和62年6月(1987.6)の原子力委員会「原子力開発利用長期計画」において,処分予定地の選定は,別途設立される処分事業の実施主体が行うこととなりました。動燃事業団は地層処分技術の確立を目指した研究開発の中核推進機関として位置付けられるとともに,「地質環境等の適性を評価するための調査」を実施することとされました。このように動燃事業団の処分予定地の選定の役割は途中で終わりました。(動燃事業団の役割の変遷は,別添2参照(PDF形式、16kバイト))
 

3.公開する報告書42冊について
報告書は,動燃事業団として,処分予定地や処分候補地を選んだものではありません。
 公開する報告書(計42冊)の内容の概要は以下のとおりです。

  「可能性ある地層の調査」に係る報告書が計24冊あります。これらの報告書は,昭和58年度に,委託により代表的な岩種毎にその特徴を把握するため,全国25地区を対象として地質状況(自然条件)や土地の利用状況(社会条件)などの知見を取りまとめたものです。
 
  「広域調査」に係る報告書は計17冊あり,昭和61年度から昭和62年度に,主に航空写真及び人工衛星(ランドサット)画像によって地形情報の判読・解析などが委託調査会社により実施されたものが10冊あります。その他の7冊は,昭和62年度に,岩石の力学特性に関する文献データを取りまとめた報告書と特定の地域(数Km四方)の地表地質調査データや地下の物理探査データの報告書です。
 これらの委託調査報告書の内7冊で,高レベル放射性廃棄物処分の観点から地質環境的に良好な地域(例えば,均質な岩石の分布が認められ,断層密度が低いというような条件が挙げられています)の検討が行われています。(良好な地域のイメージは,別添3参照(PDF形式、12kバイト))。
 
  広域調査地表調査シートの63年度版(1冊)は,昭和62年6月の原子力委員会「原子力開発利用長期計画」に基づき、現地調査などにより岩石の種類や特徴などを調べた調査シート集です。
 

4.高レベル放射性廃棄物の処分事業について
現在,処分事業は,「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(平成12年制定)に基づき,「原子力発電環境整備機構」が高レベル放射性廃棄物の処分を行うことになっています。
 「原子力発電環境整備機構」は,最終処分の開始を平成40年代後半に行うことを目標として,「概要調査地区」の選定(平成10年代後半ころ),「精密調査地区」の選定(平成20年代前半ころ),「最終処分施設建設地」の選定(平成30年代後半ころ)の三つの段階を踏んで進めることとしています。
 平成14年12月19日から,このの「概要調査地区」の候補となる区域の公募を行っています。
以上

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