JAERIマーク プラズマ閉じ込めの磁場形状を改良

−強磁性材料で高速イオンの逃げ量を50%以下に−
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1999年7月27日

 日本原子力研究所(理事長 松浦祥次郎)は、高温プラズマを閉じ込める高性能トカマク開発試験装置 (JFT-2M)の磁場形状を改良する新技術の試験を行っていたが、 このほど、強磁性材料であるフェライト鋼を利用して、 プラズマから逃げる高速イオンの量を減らすことに成功した。

 核融合炉の燃焼状態を維持するためには、 核融合反応によって発生する高速のヘリウムイオンを強い磁場によりプラズマ内に閉じ込めておく必要がある。 しかし、磁場を発生するコイルの数には限りがあるので、 磁場強度に場所的な強弱(これを「磁場リップル」という)が生じ、磁場強度が弱い所で高速イオンは逃げやすくなる。
 そこで、JFT-2Mでは強磁性体であるフェライト鋼板を磁場コイルの内側に装着して、 磁場リップルを低減する新技術の開発を進めてきた。 このような強磁性体を用いた磁場リップル低減化試験は世界で初めてで、 実験では、磁場リップルが従来の2.2%から1.1%に低減したことを確かめた。 これに伴って高速イオンの逃げ量も50%以下に減らすことに成功し、この新技術の有効性を実証した。

 今回の研究成果は、核融合炉の磁場コイルの小型化・高性能化に有効な知見を得たものです。 コンパクトITERの設計でも磁場リップルの低減が期待され、新技術の実証が待たれていた。


参考資料


本件問い合わせ先 日本原子力研究所 那珂研究所
炉心プラズマ研究部
炉心プラズマ計画室 石田 真一
TEL 029-270-7321 FAX 029-270-7419
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