第9回 原子力機構報告会
「変革の時~新たなる出発に向けて~」

閉会にあたって (テキスト版)

閉会にあたって
副理事長 齋藤伸三

副理事長の齋藤でございます。
本日は、「第9回 原子力機構報告会」に、多数の皆様にご参加を賜り、厚く御礼申し上げます。また、インターネット中継でご覧いただいた皆様、ありがとうございました。本日は、私どもの置かれている現状、これは原子力界に相通じるものがあろうかと存じます「変革の時 ~新たなる出発に向けて~」と題して、原子力機構改革の進捗、活動の現状、次期中期計画を見据えた今後の原子力機構の将来、課題等についてご報告いたしました。
この中で、皆様方に大変ご心配をおかけしております「もんじゅ」につきましては、どこに問題があったのか率直にご報告申し上げました。このような報告は、組織として情けなく、恥ずかしいところでありますが、皆様の真のご理解を得るためには避けて通れないことと判断した次第であります。
そして現在、「もんじゅ」は、当たり前に仕事ができる、原子力機構の他の部門を凌駕する意欲をもって早期の措置命令解除に向けて全力で取り組んでおります。
さらに、運転再開、定格運転を達成すれば日米欧の中で唯一稼働する高速炉を我が物にできる夢を抱き、日夜業務に励んでいるところであります。
また、我が国の原子力界が最優先事項として取り組むべき東電福島事故への対応については、唯一の総合的な原子力研究開発機関として、「事故を起こしたプラントの廃止措置に向けた研究開発」や「福島の環境復旧への取り組み」に関してご報告いたしました。このプログラムは原子力機構として、長期にわたる重点的な課題として取り組んでいかなければならないと認識しています。
一方、ご案内のように本年4月に閣議決定されました「エネルギー基本計画」において、原子力は我が国の「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置付けられました。
原子力機構としては、このエネルギー基本計画の趣旨に沿い、それを支えるために必要な軽水炉をはじめとする原子力施設の安全研究、原子力防災、核セキュリティと言った安全上の課題はもとより幅広い核燃料サイクルの課題、さらには要となる人材の育成に積極的に取り組んで参ります。
また、研究機関としての命である基礎基盤的な研究も幅広く行い、その成果を世の中に発信して参ります。
そのためには、安全確保を最優先に研究開発を推進し、国民の皆様の期待に応えられる成果が得られるよう取り組んでいく必要があります。
本日いただいた貴重なコメントを始めとする国民の皆様方からのご意見、ご要望を踏まえつつ、高く評価される成果を上げ、国内は元より、国際的にも評価される存在感のある研究開発機関であるべきと念じております。
皆様方におかれましては、引き続きのご指導、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
簡単ではございますが、以上をもちまして閉会の挨拶とさせていただきます。
本日は長時間にわたりありがとうございました。