第10回 原子力機構報告会
「原子力機構の新たな出発 ~研究開発成果の最大化と課題解決に向けて~」

御挨拶 (テキスト版)

御挨拶
文部科学副大臣 冨岡 勉 様

皆さん、こんにちは。御紹介いただきました、文部科学副大臣を拝命しております冨岡勉と申します。

本日は第10回原子力機構報告会がかくも盛大に開催されますことをまずもってお慶び申し上げます。

昨年4月に新しいエネルギー基本計画が閣議決定され、この中で、原子力はエネルギー需要構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置づけられております。

文部科学省としましても、本計画を踏まえ、広範な原子力の基礎基盤的研究開発に取り組んでいます。

具体的には、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃止措置等を推進するため、国内外の英知を結集し、安全かつ確実に廃止措置を実施するための先端的技術研究開発と人材育成に取り組んでいるところでございます。また、原子力が抱える課題に正面から向き合い、原子力の再生を図るため、原子力の安全研究、基礎基盤研究や人材の維持・発展、高温ガス炉の研究開発、核燃料サイクルや放射性廃棄物の減容化、有害度低減の研究開発を着実に進めていることは皆様方もよく御存じのところでございます。

特に福島第一原発の廃炉に向けた最近の取り組みとしては、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃止措置等研究開発の加速プラン」に基づき、本年8月に原子力機構に設置した廃炉国際共同研究センターの国際共同研究棟を福島県富岡町、私と名前が一緒でございますが、富岡町に立地することを決定いたしました。さらに、本年10月には、遠隔操作機器技術の開発・実証を伴う楢葉遠隔技術開発センターが一部運用を開始したほか、福島県が整備しました環境創造センターの三春町の本館が10月に、南相馬市の環境放射線センターが11月に、それぞれ開所いたしました。これらの研究拠点では原子力機構が重要な役割を担っており、福島復興に向けた成果を上げることができるよう、文部科学省といたしましても引き続き積極的に支援してまいります。

また、原子力分野の人材育成については、個別の事業の推進に加え、今後の原子力人材育成政策のあり方について、今年4月に人材部会を立ち上げ、検討を進めています。

原子力機構は、我が国唯一の原子力に関する総合的な研究開発機関として、我が国の原子力を支えるために多岐にわたる重要な取り組みを実施されているところでございますが、本年4月には、研究開発成果の最大化を第一目的とする国立研究開発法人に位置づけられるとともに、民間から児玉新理事長を迎えられ、新たな中期的目標期間を開始されました。

一方、高速増殖原型炉もんじゅについては、原子力規制委員会からこれまでたびたび指摘を受け、今般、文部科学大臣に対して勧告が発せられました。このような状況に至ったことを私も大変重く受けとめており、本勧告を受け、文部科学省では、可能な限り速やかに課題を解決されるよう、大臣のもとに有識者による検討の場を設け、もんじゅの今後のあり方等について速やかに検討を進めてまいりたいと思っております。ちょうど今の時間、閉会中審査、文教委員会が開催されております。こちらの児玉理事長、そして馳文部科学大臣が出席して答弁されている時間帯だと思います。

児玉理事長のもと、原子力機構が国民の信頼を取り戻し、今後ともその社会的使命に真摯に取り組んで成果を上げていくことを期待申し上げます。

最後に、御列席の皆様のさらなる御活躍を祈念して、私からの御挨拶とさせていただきます。

本日はまことにおめでとうございます。