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プルトニウム管理状況

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構においては、プルトニウム利用の透明性を高める観点から、原子力委員会の「我が国のプルトニウム管理状況」の公表に合わせて、分離プルトニウムの管理状況をお知らせすることにしております。

1. 分離プルトニウム量

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構における 2022年(令和4年)12月末現在の分離プルトニウム保有総量は、4,626キログラムとなっています。

(数値は全て、金属プルトニウム(Pu)量で表示していますが、実際の形態は、硝酸プルトニウムや酸化プルトニウムなどの状態で存在しています。)

(1)再処理施設(東海)

再処理施設では、使用済燃料を切断溶解し、プルトニウム、ウラン及び核分裂生成物に分離します。プルトニウムは、硝酸プルトニウムという液体に分離された後、ウランと混合転換され、酸化プルトニウム(MOX粉末:プルトニウムとウランが1:1の混合酸化物)として保管されます。

(単位:kgPu)

内訳 数量
MOX粉末等 191

(2)プルトニウム燃料加工施設(東海)

プルトニウム燃料加工施設では、再処理工場等から酸化プルトニウムを受入れ、燃料加工等に供されるまで貯蔵庫に保管されたのち、酸化プルトニウムと酸化ウランを混合して、原子炉毎に決められた仕様の燃料ペレット(MOX燃料)を製造し、それを金属の被覆管に詰めて燃料ピンに加工し、さらにMOX燃料集合体に組立てます。

(単位:kgPu)

内訳 数量
MOX粉末等 (原料として貯蔵されているもの、試験及び加工段階にもの) 3,428
新燃料製品等 (燃料体の完成品として保管されているもの等) 484
合計 (小数点第1位の四捨五入の関係により合わない場合があります) 3,912

(3)原子炉施設等

「高速炉」は、原子炉施設に保管されているMOX燃料集合体(新燃料及び炉に装荷してある照射前のもの並びに炉から取り出された未照射のもの)に含まれているプルトニウム量を示しています。

「研究開発施設」は、臨界実験装置等で研究開発の利用に供しているプルトニウム量を示しています。

(単位:kgPu)

施設名等 数量
高速炉 411
研究開発施設 113
合計 (小数点第1位の四捨五入の関係により合わない場合があります) 524

2. 分離プルトニウムの使用状況等

2022年(令和4年)一年間の分離プルトニウムの使用状況等は次のようになっています。

(1)回収量

「回収量」とは、再処理施設において、硝酸プルトニウムとして分離し、転換後に酸化プルトニウムとして回収された量と定義しています。

(単位:kgPu)

数量
0

(2)使用量

「使用量」とは、燃料加工施設において、新燃料の加工等のため原料貯蔵区域から加工工程区域へ移動した酸化プルトニウムの正味の払出し量と定義しています。

(単位:kgPu)

数量
0

(3)原子炉施設における未照射MOX燃料を装荷し照射した量

「装荷し照射した量」とは、原子炉施設において保管していた未照射MOX燃料のうち、炉内に装荷し照射されたMOX燃料の量と定義しています。原子炉内の装荷では「未照射」と「照射中」の状態がありますが、ここでは使用状況をより明確にするため、「装荷し照射した量」を示します。

(単位:kgPu)

原子炉施設 装荷し照射した量
高速炉 0

3. 分離プルトニウムに関する増減状況

2022年(令和4年)一年間の分離プルトニウムの増減状況は次のようになっています。

再処理施設 [再処理の分離・精製工程から混合転換の原料貯蔵庫まで]

(単位:kgPu)

事項 増減
2022年1月1日(2021年12月末)現在の在庫量 192
分離総量(2022年一年間の分離量) 0
払出総量(2022年一年間の搬出量) △0
再処理施設内工程での増減量
内訳 受払間差異 2.2
保管廃棄 △4.2
保管廃棄再生 4.4
核的損耗 △0.0
測定済廃棄 △3.2
在庫差 0.1
△1
2022年12月末現在の在庫量
(小数点第1位の四捨五入の関係により合わない場合があります。表中の「△」は、減量を示しています)
191

(注)各施設工程内での増減量の内訳には、施設での受入れ、施設からの払出し以外の計量管理上の在庫変動(受払間差異、保管廃棄、保管廃棄再生、核的損耗、測定済廃棄等)及び在庫差があります。これらの概念は、国際的にも認められているものです。

プルトニウム燃料加工施設 [混合酸化物(MOX)の粉末原料から燃料集合体に仕上げるまで]

(単位:kgPu)

事項 増減
2022年1月1日(2021年12月末)現在の在庫量 3,913
受入総量(2022年一年間の搬入量) 0
払出総量(2022年一年間の搬出量) △0
燃料加工施設内工程での増減量
内訳 核的損耗 △2.5
在庫差 0.8
△2
2022年12月末現在の在庫量
(小数点第1位の四捨五入の関係により合わない場合があります。表中の「△」は、減量を示しています)
3,912

(注)各施設工程内での増減量の内訳には、施設での受入れ、施設からの払出し以外の計量管理上の在庫変動(受払間差異、保管廃棄、保管廃棄再生、核的損耗、測定済廃棄等)及び在庫差があります。これらの概念は、国際的にも認められているものです。

原子炉施設等 [「高速炉」及び「研究開発施設」]

(単位:kgPu)

事項 増減
2022年1月1日(2021年12月末)現在の在庫量 526
受入総量(2022年一年間の搬入量) 0
装荷総量(2022年一年間の原子炉施設の装荷量) 0
払出総量(2022年一年間の搬出量) △0
原子炉施設等内での増減量(核的損耗等) △3
2022年12月末現在の在庫量
(小数点第1位の四捨五入の関係により合わない場合があります。表中の「△」は、減量を示しています)
524

用語についての説明

○受払間差異:
異なる施設間で核燃料物質の受渡しが行われた際の、受入側の測定値から払出し側が通知した値を引いた値。
○保管廃棄:
使用済燃料溶解液から核燃料物質を回収する過程で発生する高放射性廃液や低放射性廃液等に含まれるプルトニウムなど、当面回収できない形態と認められる核燃料物質を保管する場合に、帳簿上の在庫から除外された量。
○保管廃棄再生:
保管廃棄された核燃料物質のうち、再び帳簿上の在庫に戻された量。
○核的損耗:
核燃料物質の自然崩壊により損耗(減少)した量。
○測定済廃棄:
測定され又は測定に基づいて推定され、かつ、その後の原子力利用に適さないような態様(ガラス固化体等)で廃棄された量。
○在庫差:
実在庫確認時に実際の測定により確定される「実在庫量」から「帳簿上の在庫量」を引いた値。測定誤差やプルトニウムを粉末や液体で扱う施設においては、機器等への付着等のため、発生する。