公 開 番 号

2019−04

関連公開番号

 

件     名

廃棄物処理場における作業員の作業衣の軽微な汚染及び作業区域の軽微な汚染(漏えい)

公  開  日

2019年 312日(平成31年)

不適合の発生日

2014年 9 12日(平成26年)

発 生 拠 点 名

核燃料サイクル工学研究所

発生施設・設備名等

再処理技術開発センター 廃棄物処理場

不適合の内容

平成26912日(金)pH計洗浄作業等を終えた作業員が廃棄物処理場安全管理分室において汚染検査を実施したところ、作業衣(カバーオール)の背中に汚染を確認しまた。

なお、身体(皮膚)サーベイ及び鼻スミヤでの汚染は認められませんでした。

 

原因の調査・特定

作業衣の汚染場所を特定するため、以下の調査を行いました。

(1)汚染場所の特定

当該作業員の歩行経路及び作業場所を調査の結果、保守区域のpH計洗浄作業を行った近傍の蒸発缶からの配管に有意な汚染を確認しました。なお、同区域における空気汚染はありませんでした。

(2)作業衣汚染の経緯

汚染が確認された蒸発缶からの配管の高さは、pH計洗浄作業で作業員が屈んだ姿勢で行う高さと、汚染した部位がほぼ一致しており、これらのことから、作業衣の汚染は、作業員がpH計洗浄作業時に当該配管に触れたことによるものと判断しました。( 汚染を確認した配管りの概要図)

 

以上の調査結果から、作業区域の汚染された配管に作業服が接触し、汚染を作業服に付着させたものと判断しました。

次に、作業区域配管の汚染原因について以下の調査を行いました。

(3) 当該配管の汚染の原因

@ 当該配管の健全性確認(浸透探傷検査及び超音波肉厚測定)を行った結果、配管に異常は確認されず、当該配管の汚染は、配管からの漏えいによるものではないと判断しました。

A 当該配管の周囲にある機器、配管、弁及び弁継ぎ手部等の汚染検査を行った結果、当該配管以外に剥離性の汚染は認められませんでした。

B 当該配管周辺での過去の漏えいについて調査した結果、昭和52年〜昭和60年にかけて、当該配管近傍の弁継ぎ手部等からの漏えい事象が発生していたことが判明し、これを原因と推定しました。

 

以上の調査結果から、作業員の衣服汚染は過去(昭和52年〜60)の漏えい事象に伴って生じた汚染が蒸発缶からの配管に残留し、pH計洗浄作業を行った作業員の衣服に触れたことによるものと判断しました。

 

是正処置の必要性の評価

(システムへの影響)

低放射性液体廃棄物は定期的に発生しており継続的な処理が必要なことから、是正処置を行い汚染の再発を防止する必要があると判断しました。

 

是正処置(計画)の内容

 

是正処置として以下に示す3件の事項を実施しました。

(1) 残留汚染の再調査

@ 過去の作業報告書等の記録を用いて、担当施設内に除染できずに固定化または養生している箇所(残留汚染箇所)の有無を確認し、周囲も含めて汚染検査を行いました。

A 狭隘箇所の作業等において作業員との接触が想定される箇所(床面、壁面、設備表面等)について汚染検査を行いました。

B 粘着テープが貼られた痕跡のある箇所は残留汚染を固定していた可能性が否定できないことから、作業員が触れる可能性の有無にかかわらず汚染検査を行いました。

上記調査の結果、残留汚染が確認された箇所は除染を行いました。また、除染しきれない箇所は汚染箇所の固定(ペイント固定、ビニール養生等)、表示を確実に行いました。

(2) 残留汚染固定箇所の汚染マップの作成及び管理

残留汚染固定箇所のマップを作成し、作成した汚染マップは常に最新版に維持していくとともに年1回の定期教育にて課員に周知することにしました。更に、残留汚染箇所は定期的に点検を実施することを課内規則に定めました。

(3) 作業管理

作業内容から、放射性物質を内包する設備・機器、残留汚染固定箇所との接触の可能性がある場合は、作業区域(作業前)及び身体汚染検査(作業後)を行うことを、作業前のKYTBMにおいて確認することとしました(KYシートの改定)

 

備   考

 

(安全・核セキュリティ統括部品質保証課「不適合の情報公開管理要領」に基づく様式)