公 開 番 号

2016−03

関連公開番号

 

件     名

空気圧縮機の系統圧力上昇に伴う手動停止

公  開  日

2016年 5月 16日(平成28年)

不適合の発生日

2015年 6月 18日(平成27年)

発 生 拠 点 名

核燃料サイクル工学研究所

発生施設・設備名等

再処理施設 高放射性廃液貯蔵場

不適合の内容

 平成27618430分頃、高放射性廃液貯蔵場の計装、貯槽の撹拌等に用いる圧縮空気供給用の圧空貯槽(V603)の安全弁が作動していることを確認しました。このため、運転していた空気圧縮機(K61)を点検したところ、圧空貯槽内の圧力が通常時の圧力(0.750.85MPa)より高いにもかかわらず、アンロード運転(無負荷運転)に移行せず、ロード運転(負荷運転)を継続している異常な運転状態であることを確認しました。

 この事象を踏まえ、予備機(K60)は定期点検中のため停止していることから、直ちに空気圧縮機(K61)を手動で停止し、予備系統であるユーティリティ施設からの圧縮空気の供給に切り替え、高放射性廃液貯蔵場への圧縮空気の供給を継続しました。

原因の調査・特定

空気圧縮機の系統の圧力が上昇した直接原因は、本圧縮機の設備点検の結果、圧縮機の付属品として取り付けられている電磁弁の部品に破損が生じたことによるものと断定しました。

別図

また、電磁弁の部品が破損した原因は、当該製品品質、管理方法、使用状況に係るなどの各調査並びに他施設で同様な使用状況を有する電磁弁との比較調査の結果から、以下に示す動作回数の増加、運転中の振動の影響によるものと推定しました。

 

@   近年の高放射性廃液の貯蔵量の増加に伴う圧縮空気の使

用量の増加により、電磁弁の作動回数が約40万回から約45万回に増加していること。

A   振動測定の結果、電磁弁に接続した導圧管からの振動が空

気圧縮機本体の振動より大きく、電磁弁への振動の増幅が確認されたこと。

B   電磁弁の振動を低減するために取り付けられた防振ジェ

ルが平成13年から交換されていなかったことから、劣化による防振機能の低下が考えられること。

是正処置の必要性の評価

(システムへの影響)

本不適合は、安定した圧縮空気の供給を損ない設備及び施設に影響を及ぼす可能性があることから、電磁弁の故障による空気圧縮機の運転機能の不全防止を図る必要があることから、是正処置を行うこととしました。

是正処置(計画)の内容

 

是正処置については、以下の内容を実施しました。

1) 防振対策

@ 電磁弁に接続している導圧管にサポートを追加し、電 磁弁への振動の影響を緩和する設備改善を図る。また、防振ジェルは新たに交換する。

A 今後の防振ジェルの交換については、電磁弁交換時に併せて実施する。

2) 電磁弁の交換周期の見直し

電磁弁の交換周期として設定していた2年(運転時間 約1/基)について、圧空使用量の増加に伴う電磁弁の動作回数の増加を考慮し、動作回数約20万回を目安とし、電磁弁の交換周期を1年(運転時間 約6か月/基)に見直す。

 

3) 規則、要領への反映

@ 電磁弁の交換周期については、センター規則「再処理施設定期(自主)検査等一覧」を改訂する。

A 電磁弁交換時の交換方法及び振動測定等の防振対策の機能維持の確認については、点検整備要領に反映する。

備   考