公 開 番 号

2016−02

関連公開番号

 

件     名

消火用浄水配管からの浄水の漏えい

公  開  日

2016年 5月 16日(平成28年)

不適合の発生日

2014年 8月 15日(平成26年)

発 生 拠 点 名

核燃料サイクル工学研究所

発生施設・設備名等

再処理施設 分離精製工場南側 屋外

不適合の内容

 平成26815日の12時頃、分離精製工場南側の保全区域(屋外)に設置されている消火用浄水供給系統のバルブボックス(地中に埋設した浄水配管のバルブを地上から操作、点検できるようバルブを収納する簡易な容器)より、浄水(工業用水。以下「浄水」という。)が漏えいしているのを見つけました。

 また、この事象を踏まえ、分離精製工場の地下階での水漏れの有無を確認したところ、1530分頃に一箇所の壁から漏えいした浄水が浸み出していることを確認しました。なお、確認までに浸み出ていた量はわずかであり、壁より浸み出す量は50cc/h程度であったため、補修までの間、拭取り回収に当たりました。

原因の調査・特定

浄水の漏えいの原因は、土砂の掘削を行い、埋設した配管の状態を調査した結果、以下に示す配管の施工状況から、震災によって漏えい個所近傍が地盤沈下し、配管フランジ部に負荷が生じて損傷したものと推定しました。(

また、漏えいした浄水の分離精製工場内の地下階への浸入は、屋外から屋内へ敷設している配管の建家壁を貫通する部分(以下「建家壁貫通部」という)に処置した防水塗装等の劣化により、建家貫通部のすき間から浄水が浸入したものと推定しました。(別図

 

@  震災により配管埋設部が沈下していたこと。

A  損傷したフランジと地盤沈下した箇所の間の直管部に支持点(サポート)があり、テコの原理で地盤沈下による力が損傷したフランジ部に作用する状態であったこと。

B  損傷したフランジの接続部を切り離したところ、施工位置からフランジ部が約5ミリ上方に変位したため、この変位量からフランジ部に生じた応力を評価した結果、208N/mm2となり、フランジ材料の許容引張応力200N/mm2を上回っていたこと。

是正処置の必要性の評価

(システムへの影響)

施設外での水漏れによる分離精製工場施設内への水の浸入防止及び消火用水としての機能不全防止を図るため、是正処置を行うこととしました。

是正処置(計画)の内容

 

是正処置については、以下の内容を実施しました。なお、類似箇所について、土砂掘削を行い配管の外観等の調査を行った結果、震災の影響により更新が必要な箇所はないことを確認しました。

 

1) 配管の更新

浄水が漏えいした配管については、以下のとおり更新を行う。

@  配管に影響を与える地盤沈下等に対応するため、変位を吸収できるハウジング形管継手を用い配管を施工する。

A  腐食による影響を緩和するため、配管材質を配管用炭素鋼鋼管(SGP)から、より肉厚が厚い圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG370)へ変更する。また、配管表面の塗装を行い、さらに地中埋設部には防食テープを施工する。

B  地盤沈下への抵抗性を高めるため、地中埋設部の配管の基礎底は、地盤を締固めた後、土間コンクリートを敷設する。

2) 浄水が浸入した箇所の処置

浄水が浸入した配管の建家壁貫通部について、防水塗装等を用いて防水処置を行う。

備   考