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■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.89 目次 ----++

現場から ____「やませと地吹雪とBA」−建設部

海外事務所便り_ 英国政府、「The Road to 2010」を発表

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「やませと地吹雪とBA」−建設部

六ヶ所BA施設建設室は、その名の通り、青森県の六ヶ所村に建設される幅広いアプローチ(BA)プロジェクトの施設工事監理のため、平成20年4月に発足しました。建設室は、室長以下14名で構成され業務に励んでいます。

幅広いアプローチ(BA)は、日本政府と欧州原子力共同体との協定の下で進められています。日本側の実施機関として、原子力機構が中心となり、原型炉設計研究開発調整、ITER遠隔実験、計算機シミュレーション、及び国際核融合材料照射施設の工学実証・工学設計活動について青森県六ケ所村を拠点として実施する計画です。

そのために管理研究棟、計算機・遠隔実験棟、原型炉R&D棟、IFMIF/EVEDA開発試験棟及びインフラ施設等の大規模な建設工事を、平成20年3月から22年3月までかけて行っています。

昨年5月の安全祈願祭を機に建設工事に着手し、急ピッチで工事を進め、今年3月にはBAの運営管理や研究等の拠点となる管理研究棟及び受電所等のインフラ施設を無事竣工しました。そして4月には、多数のご来賓を迎え国際核融合エネルギー研究センター管理研究棟完成式典を開催することができました。

現在は、計算機・遠隔実験棟、原型炉R&D棟、IFMIF/EVEDA開発試験棟、特別高圧受電設備の建設を継続中で、これからも無事故で今年度末には竣工できるよう関係者一同取組んでいるところです。

ここでひとつ、あまり他の地区では経験できない貴重な体験を紹介させていただきます。青森には、春から秋にかけて、「やませ」と呼ばれる現象があり、六ヶ所では冷たく湿った東寄りの風が吹くことがあります。オホーツク海気団から吹く北東風は冷涼・湿潤な風であり、海上を進む間に雲や霧を発生させ、太平洋側の陸上に到達すると日照時間の減少や気温低下の影響を及ぼします。また、冬には、地吹雪(じふぶき)と呼ばれる現象があります。吹雪は、降雪中の雪や積もった雪が強風によって空中に舞い上げられて視界が損なわれている気象状態のことを言いますが、降雪がない場合を、地吹雪と呼ぶようです。青森県五所川原市では町おこしの一環として地吹雪体験ツアーが行われているのですが、激しい地吹雪が起こると、雪が視界、太陽光を遮り、見通しがきかなくなったりするので、生活となると大変です。一度地吹雪に遭遇すると、目をまともに開けることもできず、まさに360度が白くなって一寸先も見えなくなり、自分が今どこにいるのかさえわからなくなるほどで、不慣れな者には大変厳しい気候を体験することになります。

このような過酷な条件のもとでも、六ヶ所BA施設建設室は、それぞれの建設工事を安全かつ品質を確保しつつ、各工事の取り合い調整を図りながら、許認可業務及び関係部署の要求を満たし、予定通り完工しようと工事監理に頑張っています。

涼風の吹く気持ちのいい季節を迎え、建設工事も残すところあと半年ですが、地元の皆様のご協力の下、輝かしい核融合技術の一助としてお役に立てることを願いつつ、安全の確保を最優先に工事を進め、無事竣工を迎えられるよう努めていきたいと思います。

(建設部 六ヶ所施設建設室長 坂川嘉信)

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

☆ウィーン事務所
<英国政府、核セキュリティーの強化などに関する「The Road to 2010」を発表>
 ブラウン首相は7月16日、核セキュリティー、核不拡散、核軍縮などに関し、2010年NPT運用検討会議およびそれ以降に向けた英国の戦略を、「The Road to 2010-Addressing the nuclear question in the twenty first century-」としてとりまとめた。
 http://www.cabinetoffice.gov.uk/media/224864/roadto2010.pdf

<IAEA、原子力エネルギーシステム評価支援に関するワークショップを開催>
 IAEAは7月20日から23日までの4日間、国際ワークショップ「Workshop on IAEA Tools for Nuclear Energy System Assessment for Long-Term Planning and Development」を開催した。
 (詳細はhttp://www.iaea.org/NewsCenter/News/2009/nuclearrole.html

☆パリ事務所
<フランスとイタリア、原子力研究協力に調印>
 フランスの原子力庁(CEA)とイタリアの新技術エネルギー環境局(ENEA)はこのほど、原子力及び再生可能エネルギーに関する研究協力合意に調印した。

☆ワシントン事務所
<米国下院、2010年度DOE予算法案を可決>
 米国下院は7月17日、本会議において、総額333億ドルの2010年度エネルギー・水開発プロジェクト歳出予算法案を可決した。これにはDOE予算269億ドルが含まれている。その内訳は、7月7日に歳出委員会で可決された内容と変わりない。

<米印外務大臣間でインドの原発建設を合意>
 インドを訪問中のクリントン国務長官とインドのKrishna外務大臣は7月20日、米国企業がインドに原発建設を行うことを合意したと発表した。

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

7月28日、超強磁場X線分光実験の世界記録を抜本的に更新
 http://www.jaea.go.jp/02/press2009/p09072801/index.html

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

夏休みイベントについてご案内しております。
 http://www.jaea.go.jp/02/info/2009summer/index.html

7月24日、平成21年度民間出資者・寄附者事業報告会を開催しました
 http://www.jaea.go.jp/02/news2009/090728/index.html

8月1日、東海研究開発センター施設見学会・実験教室&KEK・JAEA共同事業J-PARC公開を開催します。
 http://www.jaea.go.jp/04/tokai/shisetsukengaku090801.html

8月7日、FaCTプロジェクト、中間報告会を開催します。
 http://www.jaea.go.jp/04/fbr/pdf/fact_hokokukai.pdf

8月28日、埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)主催の「希少金属(レアメタル)の現状と最新リサイクル技術セミナー」が開催されます。原子力機構からは、量子ビーム応用研究部門(高崎)が「放射線グラフト重合吸着材による希少金属回収方法の提案」と題した講演を行います。
 本セミナーではSAITEC研究者のほか、(独)物質・材料研究機構、ソニー(株)等による講演が行われます。
 詳細は、http://www.saitec.pref.saitama.lg.jp/training/coop/090828sem.html

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

核融合研究開発部門では、技術系職員を募集します。
 書類提出期限:8月5日(水)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/career/career50.html

核融合研究開発部門では、グループリーダーを募集します。
 書類提出期限:8月21日(金)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/employment126.html

核融合研究開発部門では、任期付研究員を募集します。(3件)
 書類提出期限:8月31日(月)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/index.html

量子ビーム応用研究部門では、特定課題推進員を募集します。
 書類提出期限:9月16日(水)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/employment128.html

J−PARCセンターでは、研究系職員を募集します。
 書類提出期限:9月30日(水)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/career/career49.html

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一般競争(指名競争)参加資格の定期審査受付について〔物品の製造・販売・役務の提供等〕;随時受け付けています。
 http://www.jaea.go.jp/02/format/index.html

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ある検索サイトで「ECO」と調べると億という単位でページが検出されます。それだけ環境問題に取り組む組織や関心がある人など大勢いることが分かります。先日、エコをテーマとしたイベントに参加する機会がありました。自然の中でリユース食器を使用し、My箸持参を奨励し、出される食事はオーガニック食材を使うなどし身近なところから環境問題を意識するような取り組みをアピールするものでした。

そこには非常に多くの若者も参加していました。このようなイベントに参加しそれぞれの意識を変え、その意識を持ち続け、やがて無意識にできるようになることを思い、わたしも若者の一員としてそんな気持ちを持ち続けていこうと思いました。(上)

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【配信希望、アドレス変更、配信停止】http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html

【ご感想やご要望】http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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