━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009.7.24 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.88 目次 ----++

┃現場から ____________ 国境を越えるモノと技術と人−国際部

┃海外事務所便り____ 「欧州共同体の会議、第4世代炉の今後などを議論」

┃広報紙から _________ 「三朝ラドン効果研究施設」の開設(人形峠環境技術センター)

┃プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

┃あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃国境を越えるモノと技術と人−国際部

近年、地球温暖化対策やエネルギー安定供給の観点から、国際社会において原子力エネルギーへの期待が高まっています。

2008年12月現在、30の国と地域において、436基の発電用原子炉が稼働中で、世界の発電電力量の16%を供給しています。また、新たに原子力発電所の建設を検討・予定している国は20か国以上に及んでいます(平成20年版原子力白書)。

原子力利用を進める国が増えるのに伴って、核燃料や原子炉の材料、部品など原子力発電に必要不可欠な「物」やそれらの物を作る「技術」が国際的にやりとりされる機会も増えてきます。その一方で、これらの物や技術が、核兵器を手に入れようとする国やテロリストの手に渡ると、国際社会の平和と安全にとって大きな脅威となりかねません。

このため、原子力関係の資機材を供給する能力のある国(2009年1月現在、日本を含む45か国)がグループを作り、原子力関係の資機材、技術を国際的にやりとりする場合の指針(ガイドライン)を決めて、それぞれの国がこれに従って輸出管理を行っています。

私たち原子力機構も、世界の多くの国々と幅広い国際協力を行っていく上で、海外の研究機関等との間で様々な物のやりとりや研究者・技術者の交流を行っています。その際には、我が国の輸出管理についての法律である「外国為替及び外国貿易法」(外為法)を守って的確に業務を行うよう、内部のルール、手続を定めています。

核兵器のない、平和で安全な世界を実現することは、原子力先進国である我が国の国際的な責務です。原子力機構は、総合的な原子力研究開発機関として、この責務を果たすための取組みを着実に行っていきます。

(国際部 高津戸哲也)

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

┃ 欧州共同体の会議、第4世代炉の今後などを議論−パリ事務所

欧州原子力共同体(EURATOM)による国際協力を目的とした会議、FISA2009が、6月22〜25日の4日間、チェコのプラハで開催されました。

約450名が参加したこの会議では、基調講演でフランス電力公社(EDF)のY. Bamberger氏が、第4世代炉としてはナトリウム冷却高速炉(SFR)を中心として進めるべきだと発言。原子力発電所からの電力によって水を電気分解して水素製造を行えば、CO2の低減に貢献できるとともに、次世代の水素エネルギー社会を安定して構築できると述べ、注目を集めました。

またCEAのG. L. Fiorini氏がSFRについて、AMEC-NNC のR. Stainsby氏がガス冷却高速炉GFR について、CEAのC. Renault氏が溶融塩炉についての研究成果を報告しました。

このほか会合では、CEA-INSTNのJ. Safieh氏が、JAEAや東工大も参加しているENENの今後の人材育成への貢献に対する期待を表明。またCEAのD. Iracane氏はJules Horowitz炉の現状を紹介するとともに、照射試験炉を中心とした共同研究の重要性を強調しました。

さらに最終日の総括的なセッションでは、溶融塩炉の研究を今年末で終了することが発表されたほか、シミュレーションと実験の連携強化やMA分離については実用化を目指す方針がうちだされました。

なおフランス政府や原子力産業界は、自国の収益につながる研究開発は国際競争、リスクが大きく遠い将来を議論する研究投資は国際協力を中心として進める傾向が強いように感じられました。

━ 広報紙から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構が社外向けに発行している広報紙などからトピックスを紹介します。

┃ 「三朝ラドン効果研究施設」の開設−人形峠環境技術センター発行「にんぎょうとうげ」(5月号)

3月28日、「三朝ラドン効果研究施設」が岡山大学病院三朝医療センター(鳥取県三朝町山田)の敷地内に完成しました。

この施設は小動物を使った大規模なラドンの吸入試験を実施する国内初の試験施設です。

三朝温泉などで有名なラドン温泉は、古くから気管支喘息など呼吸器疾患、関節リウマチ、変形性関節症など疼痛性疾患、慢性膵臓炎、消化性潰瘍、胃腸炎など消化器疾患、高血圧、動脈硬化、糖尿病など慢性退行性疾患に効能があるとされています。(続きはhttp://www.jaea.go.jp/04/zningyo/kouhoushi/2009/200905/2009_05.pdfをご覧下さい)

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃7月22日、高速実験炉「常陽」計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害に関する報告書(最終報)について
 http://www.jaea.go.jp/02/press2009/p09072201/index.html

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃夏休みイベントについてご案内しております。
 http://www.jaea.go.jp/02/info/2009summer/index.html

┃7月3日、平成21年度男女共同参画推進講演会を開催しました。
 http://www.jaea.go.jp/02/news2009/090721/index.html

┃7月6日、J-PARC完成記念式典を行いました。
 http://j-parc.jp/ja/topics/2009/ceremony-j.html

┃7月16日、高速増殖炉研究開発センターでは11万人目の見学者をお迎えしました。
 http://www.jaea.go.jp/04/monju/category91/11/memorial11.html

┃8月1日、東海研究開発センター施設見学会・実験教室&KEK・JAEA共同事業J-PARC公開を開催します。
 http://www.jaea.go.jp/04/tokai/shisetsukengaku090801.html

┃8月7日、FaCTプロジェクト、中間報告会を開催します。
 http://www.jaea.go.jp/04/fbr/pdf/fact_hokokukai.pdf

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃核融合研究開発部門では、技術系職員を募集します。
 書類提出期限:8月5日(水)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/career/career50.html

┃核融合研究開発部門では、グループリーダーを募集します。
 書類提出期限:8月21日(金)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/employment126.html

┃核融合研究開発部門では、任期付研究員を募集します。(3件)
 書類提出期限:8月31日(月)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/index.html

┃J−PARCセンターでは、研究系職員を募集します。
 書類提出期限:9月30日(水)
 http://www.jaea.go.jp/saiyou/career/career49.html

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃一般競争(指名競争)参加資格の定期審査受付について〔物品の製造・販売・役務の提供等〕;随時受け付けています。
 http://www.jaea.go.jp/02/format/index.html

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

富士山の山腹には、川が一本もありません。山頂に積もったおびただしい雪は、いったいどこに消えるのでしょうか。

答えは簡単。全部地中にもぐるのです。目のあらい火山礫でおおわれた富士山の表層はどんどん水を吸い込んで、やがて不透水層の上部の地表から湧き出てきます。

この不透水層は、今から数万年前の古富士火山が噴火した時に流れ出た泥流や溶岩流からできたもので、今の富士山は、その古富士火山の上に積みあがった構造となっています。

そして今の富士山と、この不透水層との間に貯えられた水の推定量は、およそ二百億トン。これは黒四ダムの総貯水量の百倍に匹敵する量です。

富士山の地下にある巨大ダム。これに雪融け水や雨水が流れ込むことによって、あふれた分が湧き水として忍野八海や富士五湖などから地表に押し出されてきます。

雨の場合だと、富士山に降ってから地表に出てくるまでには、二週間ほどかかりますが、なかには数十年という長い時間をかけてゆっくりと地表の湧き出してくるものもあるといいます。

日本にはあまりめぼしい地下資源はありませんが、水資源にだけは恵まれたようです。(佐)

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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