━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.9.24 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.145 目次 ----++

現場から ____ クロアチアとの2国間協力で、マイクロビーム技術によるダイヤモンドの次世代デバイス開発(高崎量子応用研究所)

広報紙から ___ 「理事長交代のお知らせ」(「JAEAニュース」第40号)

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

クロアチアとの2国間協力で、マイクロビーム技術によるダイヤモンドの次世代デバイス開発

高崎量子応用研究所では、イオン照射研究施設(TIARA)において開発されたイオンマイクロビーム技術によって、クロアチアの首都ザグレブにあるルジェル・ボスコビッチ研究所(RBI)との間で研究交流が開始されます。この研究交流が実現したのは科学技術振興機構(JST)が公募した戦略的国際科学技術協力推進事業「日本‐クロアチア研究交流」に両国の研究者で共同応募した課題「ダイヤモンドの新しい応用に向けた高エネルギーイオンマイクロビーム技術の開発」(日本側研究代表者神谷)が採択されたからです。これにより、イオンマイクロビーム技術を用い、次世代エレクロトニクス材料として有望なダイヤモンドを解析し、新しいダイヤモンドデバイスの開発を目指す研究が2国間の研究交流により進められます。

TIARAにおけるイオンマイクロビーム技術は、TIARAのサイクロトロンや静電加速器で発生する多様な高エネルギーイオンビーム(数MeVから数百MeVの各種イオンビーム)を1μmあるいはそれ以下に集束して細胞のような微細な試料や材料の微小領域を狙って、1個1個のイオンでも照射(シングルイオンヒット)できるところに大きな特徴があり、元素分布の測定や微細加工、あるいは照射効果等多彩な研究分野で用いられています。今回の研究交流では、量子ビーム応用研究部門半導体耐放射線性研究グループ(大島GL)と協力して、マイクロビーム技術を利用することにより、次世代の半導体素材としても注目されるダイヤモンドを対象として、1)照射による損傷形成過程の解明、2)新奇透過型高感度シングルイオン検出器としての特性評価、3)重イオンマイクロビームパターン照射がもたらす局所的グラファイト化によるダイヤモンド中の導電性微細構造の創製、をテーマとした研究が行われます。

本年度(平成22年度)から平成25年度までの間、若手研究者を中心とした相互の施設訪問による実験や情報交換、ワークショップやシンポジウムの開催が計画されています。これにより、若手研究人材育成に貢献するとともにダイヤモンドの高エネルギーイオン照射効果に関する包括的な知見が蓄積されます。さらにその結果開発される新奇検出器や素子、あるいは革新的な照射技術としてのシングルイオンヒットシステムにより、未来の医療や宇宙開発に有効な優れた特性をもつ次世代のダイヤモンドデバイスの実用化に貢献することが期待されます。

(TIARAのホームページ → http://www.taka.jaea.go.jp/tiara/tiara/index.html

(放射線高度利用施設部 ビーム技術開発課長 神谷富裕)

━ 広報紙から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構が社外向けに発行している広報紙などからトピックスを紹介します。

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細は http://www.jaea.go.jp/saiyou/index.html をご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

たそがれどき。陽の光がかげり、夜が訪れるまでの、つかのまのひとときです。

この言葉はふつうは「黄昏」の字をあてます。けれども柳田国男によると、それは「誰そ彼」が原型であり、もともとは化け物に対する警戒の意味を含んでいたと思うと、彼は述べています。なお「逢魔が時」とは、昼と夜との境目のこの時刻に、魔物に会いやすいことを指します。

思い出してみれば、私が小さいころに過ごした田舎では、夜は本当に真っ暗でした。オーバーに言えば、そこは闇が支配する世界で、人間がむやみに足を踏み入れることは慎まなければならなかった時空だったのかもしれません。

けれども今は夜でも、コンビニをはじめさまざまな光があります。それらの光は夜を睥睨(へいげい)しているかのように見えます。

その分、夜の闇の恐ろしさは、ずいぶんと消え失せました。その分、私たちが暮らす時空は、とても平板になったような気がします。(佐)

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行  ○

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