━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.1.15 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.110 目次 ----++

現場から ____ 「ロクマル」への誇りと愛着 -那珂核融合研究所

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

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「ロクマル」への誇りと愛着 −那珂核融合研究所−

平成22年が明けました。那珂核融合研究所にとって今年は臨界プラズマ試験装置「JT−60」の改修に向けた解体工事が本格的に開始される重要な年であり、年明けから早速、本体装置前に設置された大型電源機器の撤去作業が慎重に進められています。

これまでに当メルマガでもご紹介しているとおり、JT−60は、高温プラズマを磁場によって閉じ込めるためのコイルを超伝導化し、JT−60SA(Super Advanced「超先進」)としてパワーアップする計画ですが、今回は、このJT−60という名前の由来についてお話したいと思います。

JT−60の「JT」は”JAERI Tokamak”、名付けた当時の「日本原子力研究所」の「トカマク装置」という意味合いです。(一部のWebサイトでは“Japan Torus”とも紹介されていますが、正しくありません。)トカマクとは、ロシア語の4単語の頭をつなげた“ト”(ток「電流」)、“カ”(камера「容器」)、“マ”(магнитный「磁気の」)、“ク”(катyшка「コイル」)からの造語で、さしずめ「コイルによって磁力線の容器を作り、その中に電流を流し、プラズマを閉じ込める装置」といったところでしょうか。

一方の「60」は、本装置の運用開始が昭和60年だから…と思われる方も多いようですが、実はそうではなく、建設計画当初におけるプラズマ体積、約“60”m3からとっています。

運用開始後は、大電流化やフェライト鋼タイルの採用といった改造を重ね、これに伴い、プラズマ体積も約100m3まで増大。さらに、今回の超伝導化では、真空容器をはじめとする本体主要部分をすべて更新し、プラズマ体積も133m3となる計画です。もはやこれまでのJT−60とは別の装置とも言い得るほどで、実際、全く新しい名前の案もいくつか挙がりましたが、最終的には、若手研究者限定で行われた投票において圧倒的多数で存続が決まりました。研究者たちは「世界の核融合研究開発史上、幾多の成果をこの装置から創出してきたという誇りと世界的な知名度で」とその理由を語っておりますが、きっと「ロクマル」という親しみ易い愛称も、この名を存続させようという大きな要因のひとつであったのではないかと思います。

運用開始から4半世紀を経て生まれ変わるJT−60。日欧の共同プロジェクトで設計製作されているJT−60SAの完成は約6年後となる計画ですが、その後もきっと国内外の研究者たちが、この「ロクマル」とともに輝かしい成果を上げてゆくことでしょう。どうか皆様もご期待・応援いただけますようお願いします。

那珂核融合研究所 管理部 総務課 北澤 淳二

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細はhttp://www.jaea.go.jp/saiyou/index.htmlをご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日は1月15日です。ご存じの方も多いと思いますが、「ハッピーマンデー」が導入される以前には1月15日が「成人の日」でした。これは、江戸時代までは一般に行われていた成人への通過儀礼である「元服」が、小正月である1月15日に行われたことに由来するものと言われています。

それではなぜ元服が小正月に行われたのかというと、これには諸説あるようです。例えば『昔は数え年であったため成人になるのも年の初めの正月だったが、旧暦の1月1日は新月の日であるのに対して小正月は満月の日であるため、この日に元服を行うことになった』という説や、『最初の満月の日から一年が始まるという、中国式の暦を導入する以前の考え方の名残』という説などがあります。現在では、1月15日は必ずしも満月の日ではないですし、成人の日は1月の第2月曜日に制定されています。

私は『今の暦は旧暦と一か月から二か月ずれている』という程度の大雑把な知識しか持っていませんが、昔の暦や年中行事のことを調べてみて、普段は意識していない季節の移り変わりが見えてくるような感覚を覚えました。(広報部 浅野聡司)

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