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■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.101 目次 ----++

現場から ____ SPring-8を拠点として研究活動−量子ビーム応用研究部門

海外事務所便り_ 「第3回GNEP閣僚級会合が共同声明」など

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

SPring-8を拠点として研究活動−量子ビーム応用研究部門

放射光科学研究ユニットは、研究員、事務職員、特別研究生(大学から受け入れている大学院生)を合わせて約80名で構成され、1997年に運転が開始された大型放射光施設SPring-8(スプリング・エイト、兵庫県西播磨)を研究拠点として研究活動を行っています。私たち放射光技術開発グループはSPring-8の4本の原子力機構専用ビームライン(放射光を利用した実験設備)の保守管理をしながら放射光技術の高度化を目指しています。あわせて原子炉材料の安全性の評価、改良・開発に不可欠な「材料内部にひそむ残留ひずみ/応力計測」を中心とした材料評価技術の開発とその応用研究に取り組んでいます。原子力機構の専用ビームラインでは国内外の大学、企業からの研究者も含めて、多種多様な研究が次から次へと絶え間なく実施されることから、年間を通して安定した放射光の供給や、より高度な放射光実験実現のための技術開発が要求されています。私たちは各研究者の期待に応えるために日夜奮闘しています。

今回は、材料評価技術の開発の状況をご紹介します。現在私たちは“高エネルギー(短波長)”の放射光X線を利用して、材料中の残留ひずみ・応力測定を実施しています。通常の実験室で使用されているX線(エネルギー〜20keV、波長〜0.6 Å)は鉄鋼材料をほとんど透過しませんが、70keV程度のX線(波長〜0.2Å)を使用すると透過性が高まり、厚さ10mmの鉄鋼材料の内部の0.1mm2程度の微小領域のひずみ(内部応力)を非破壊で計測することができます。この手法はX線回折法を利用していますので、鉄鋼材やセラミックスなどの実用材料を測定・評価することができ、これまでに鉄鋼材の表面改質に伴う残留応力分布、溶接部周辺のひずみ分布、遮熱コーティング材と母材の境界近傍の残留応力の高温下の挙動測定などに適用されています。最近では放射光イメージング技術と組み合わせることによって、鉄鋼材料の内部き裂の3次元形状と周囲の残留ひずみ分布、さらには金属ガラスなどの非晶質材料のひずみ測定などに成功しています。

また、開発した技術をシーズにした原子力機構内での原子力関連部門との連携による研究も開始しています。たとえば軽水炉で発生する応力腐食割れのその場観察測定や高速増殖炉の実用化に向けた炉心構造材料に関する研究、伝熱管の保守補修技術開発などです。高速増殖原型炉もんじゅのある敦賀や原子炉関連の基礎研究が盛んな東海、大洗などの拠点に行き来し、知己を得、研究談義をしながら地域の特産を味わう楽しさに喜びを感じながら研究に邁進しています。

量子ビーム応用研究部門のホームページ http://www.jaea.go.jp/04/qubs/index.html

(量子ビーム応用研究部門放射光科学研究ユニット 放射光技術開発グループ 菖蒲敬久)

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

☆ ワシントン事務所
<第3回GNEP閣僚級会合が共同声明>
 第3回GNEP(国際原子力パートナーシップ)閣僚級会合が10月23日に北京で開催され、共同声明が発表された。声明では、IAEA及びその他の国際組織との協力を強化することや、原子力発電のインフラに関する国際協力を強化するために新しいアプローチを検討することなどが盛り込まれている。
 http://beijing.usembassy-china.org.cn/102309ir.html

<NRC が既存原発の運転期間延長、出力向上を認可>
 NRC(米国原子力規制委員会)は10月22日、スリーマイルアイランド原子力発電所1号機(PWR、ペンシルバニア州)の運転期間を20年延長し、2034年4月19日までとする許可を与えた。
 http://www.nrc.gov/reading-rm/doc-collections/news/2009/09-176.html

☆ パリ事務所
<CEA、カダラッシュで許容量を超える濃縮ウランを発見>
 CEA(仏原子力庁)は10月25日、使用済燃料処理に利用するホットラボで、許容量を超える濃縮ウランを発見したと発表した。
 http://www.cea.fr/presse/liste_des_communiques/ecart_d_estimation_de_la_quantite_de_matiere_nuc-23511

<アレバ、リトアニアで放射性廃棄物の貯蔵施設の設計契約を獲得>
 仏のアレバ社は10月29日、リトアニアが建設を計画している低中レベルの放射性廃棄物貯蔵施設の設計の契約を獲得したことを発表した。
 http://www.areva.com/servlet/cp_29_10_2009-c-PressRelease-cid-1256291350042-en.html

☆ ウィーン事務所
<EC、ブルガリアの原発解体に追加支援>
 欧州委員会(European Commission)は10月27日、ブルガリアのコズロズイ原子力発電所1〜4号機(VVER440/233)の解体作業に、2010-2013年の3年間で300百万ユーロの追加支援を行うことを採択した。
 http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/1591&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=ja

<IAEA、水冷却炉で国際会議を開催>
 IAEAは10月27日から30日の4日間の日程で、「21世紀における水冷却炉の機会と課題」をテーマとした国際会議を、IAEA本部で開催した。
 http://www.iaea.org/NewsCenter/News/2009/poweringfuture.html

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細はhttp://www.jaea.go.jp/saiyou/index.htmlをご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

茨城県の山々では紅葉が見ごろになっていますが、明日11月7日は立冬。暦のうえでは冬となり、朝晩の寒さが一段と増してきた感があり、確実に冬が近づいてきているのを感じます。そんな寒い冬の定番と言えばやはり鍋ですね。

昨年は、子どもと一緒に近くの海岸に蟹を釣りに行き、小ぶりな平爪蟹が5〜6匹釣れたため、当然その日は鍋。小ぶりながら蟹は蟹、結構いい出汁がでました。自分で釣ったという自己満足もあっておいしくいただきました。

その後、調子に乗って数回釣りに出かけましたが、以降は1匹も釣れず、子どもの冷たい視線を感じたことが思い出されます。

平爪蟹は甲羅にHの文字の模様があることから通称H蟹と呼ばれていますが、HONDA蟹とも呼ばれているそうです。“H”といえばHONDAというぐらいHONDAの知名度が高いということでしょうか。

今年も蟹釣りに行きたい気持ちは山々ですが、子どもから「一人で行けば」の返事が返ってくるのではないかと怖くて言い出せないでいる今日この頃です。(報道課 石井 勇)

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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