国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 バックエンド研究開発部門 人形峠環境技術センター

リアルタイム環境監視システム

部長挨拶

人形峠環境技術センター部長 植地 保文

人形峠環境技術センター(以下、センターという。)では、ウランの探鉱・採鉱・製錬・転換・濃縮等の核燃料サイクルの上流部(フロントエンド)の技術開発を半世紀に渡り実施してきました。現在はこれらの技術開発を終了し、バックエンド対策として、安全を最優先に施設・設備の廃止措置を推進しています。その中で取り組んでいる技術開発等の概要を以下に紹介します。

センターには、センターの発祥となったウラン鉱山施設とウランを取り扱ってきた大型核燃料施設である製錬転換施設、濃縮工学施設、ウラン濃縮原型プラントがあります。
鉱山施設のうち「鉱さいたい積場」については、上流部に位置する廃砂たい積場の覆土措置を行い、その効果を確認しながら、下流部に位置する廃泥たい積場等を安定化するための調査、検討等を進めています。
製錬転換施設は、平成11年度にウラン製錬転換の技術開発の役割を終了し、平成20年度から本格的に解体を開始、既に主要設備の解体を完了しています。ウランを取り扱った大型核燃料施設の解体は国内初であり、これらの経験が今後の類似の施設解体に有効に活用できるよう、解体中の詳細なデータを採取し、データベース化してきました。
濃縮工学施設は国内初のウラン濃縮プラントとして昭和54年から約18年間、ウラン濃縮に係る各種実証試験を実施してきました。現在は、ウラン濃縮試験に使用した機器を解体・除染する技術開発を行っています。その一部はウランを取り扱った機器としては国内初となる「放射性物質として扱う必要のないレベル(クリアランスレベル)」の確認を受け、再資源化しています。また、製錬転換施設で培った設備解体技術を活用して、設備の解体も実施中です。
ウラン濃縮原型プラントは、民間事業者による商業プラントへの技術移転を円滑に進め、平成13年に13年間にわたる無停止運転を終了しました。その後は、使用した機器内に付着したウランをプラント設備解体前に除去・回収するための技術実証を進め、この技術も民間事業者で実用されています。
また、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた対応についても、事故直後より環境修復に関する技術開発や除染活動などへの技術者派遣等を行ってきました。引き続き、計測技術や指定廃棄物の処理などに係る支援活動を実施しています。
「ウランのふるさと」である人形峠において、我が国の原子力開発の端緒を担っているセンターとして、常にバックエンド対策のフロントランナーとしての自負と責任をもって、これまで培ってきた経験、知見を活用し、このセンターだからできる技術開発を安全かつ着実に推進して参ります。

平成28年4月1日
人形峠環境技術センター 環境保全技術開発部長
植地 保文