第9回 超深地層研究所跡利用検討委員会
議事録

超深地層研究所跡利用検討委員会事務局

日時: 平成21年10月9日(金)14:30〜15:20
場所: 瑞浪市産業振興センター及び瑞浪超深地層研究所
出席者:
委員長
河村 三郎 
(岐阜大学名誉教授)
 
副委員長
水野 光二
(瑞浪市長)
 
委  員
竹内 正俊
(土岐市副市長)
委  員 勝 康弘 (瑞浪市総務部長)
 
委  員
山田 実三
(瑞浪市議会議長)
委  員 渡邉  隆 (土岐市議会まちづくり特別委員会委員長)
 
委  員
市川 晴宣
(瑞浪市連合自治会会長)
委  員 有賀 佳代 (瑞浪市食生活改善推進協議会会長)
 
委  員
松原 晃正
(土岐市連合自治会会長)
 
委  員
加納 英之
(瑞浪市明世町)
 
委  員
日比野安平
(岐阜県先端科学技術体験センター館長)
 
委  員
苗村 公嗣
(資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長)
 
委  員
三代 真彰
(原子力機構理事)
 
委  員
吉田 東雄
(原子力機構東濃地科学センター所長)
(欠席:古田 常道(岐阜県環境生活部長)、藤井 清敏(岐阜県東濃振興局長)、伊藤 征史(瑞浪市明世町)、早瀬 佑一(原子力機構副理事長))
  事務局:原子力機構
国・自治体関係:中部経済産業局、岐阜県、瑞浪市、土岐市
傍聴者:6名
プレス:2社(中日新聞、岐阜新聞)

議 題:
(1)超深地層研究所計画の状況について
(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
(3)その他

配布資料:
第9回超深地層研究所跡利用検討委員会次第
超深地層研究所跡利用検討委員会名簿
〔資料−1〕超深地層研究所計画の状況について
〔資料−2〕瑞浪超深地層研究所の施設活用について(PDF)
瑞浪超深地層研究所の現状(スライド資料−1)(PDF)
瑞浪超深地層研究所の施設活用について(スライド資料−2)(PDF)

1.開会
事務局より出席者の紹介

2.挨拶
(1)河村委員長
 瑞浪超深地層研究所では、現在、深度400mの水平な坑道の掘削が行われ、調査・研究が進められております。
 昨年度開催した第8回の委員会においては、体験学習の場としての施設活用について、機構から説明があり議論を行いました。今回の委員会においては、機構から、研究所計画の報告とあわせて、前回の委員会開催以降の取り組み状況を説明していただき、議論を進めていきたいと考えています。委員各位のご協力のもと、活発な議論を行い、施設の活用方策を提案したいと考えております。よろしくお願いいたします。

(2)原子力機構(三代理事)
 副理事長の早瀬よりご挨拶申し上げるところでありますが、都合により欠席のため、原子力機構を代表して、一言ご挨拶を申し上げます。
 岐阜県や瑞浪市をはじめ、関係各位におかれては、日頃より当機構の事業に対して、ご理解、ご支援を賜り、深く御礼申し上げます。
 超深地層研究所については、平成8年より研究計画を開始し、平成15年7月には研究坑道掘削に着手、現場での作業が進んでおります。今年7月には深度300mの水平坑道が整備され、研究所としての体裁が整ってきたと考えております。立坑は深度400mまでの掘削が完了し、現在、深度400mの水平坑道の掘削が行われ、調査・研究を進めているところであり、後ほどご説明をさせていただきたいと考えております。
 安全面では、平成17年に締結した環境保全協定に基づき、岐阜県や瑞浪市のご指導を賜り、排水などの管理を適切に実施しながら、事業を行っているところでありますが、今後も万全の環境対策を行いつつ、進めて参ります。
 本委員会は、研究終了後の研究所の利用計画を策定するためのものでありますが、跡利用に限らず、これからの研究の推進についてなど、幅広いご意見を賜り、開かれた研究所としての運営に心がけたいと考えております。
 前回の委員会においては、体験学習の場としての施設利用についてご報告させて頂きましたが、今回の委員会においては、前回の委員会開催以降の取り組み状況をご報告申し上げることとしており、委員各位から忌憚のないご意見を賜りたく、よろしくお願いいたします。

3.議事
(1)超深地層研究所計画の状況について
 瑞浪超深地層研究所の現状について、事務局より資料に基づいて説明。主な質疑・コメントは以下のとおり。

(河村委員長)

 水平坑道は施設活用として利用することができるのですか。

(事務局)

 施設活用の内容にもよりますが、パネル等を置き、研究の内容、岩盤の状態、坑道の配置の状況などを説明しています。

(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
 研究所における体験学習への取り組み状況、深度300mの水平坑道の活用方策の実施状況、見学者アンケートの集計結果について、事務局より資料に基づき説明。主な質疑・意見は以下のとおり。

(山田委員)
 跡利用検討委員会の1回目から4回目までは児童生徒に体験をしてもらえるような施設活用という意見が多かったと思います。そして平成16年の第4回から研究期間が長いということから短期、中期、長期という提案がされてきたと理解しています。変わったことは、先ほどアンケートについての説明がありましたが、10代の学生などが活用できる機会がほとんどないように見受けられます。
 地球回廊のような施設に積極的に模擬展示をしてほしい。最近、北の丸公園の科学技術館を訪れる機会がありましたが、地層処分、エネルギー問題など体験的に参加できるような展示がありました。エネルギーについてもっと児童に関心をもってもらえるような施設跡利用を今から行ってもらうことが研究を正確に理解していただく世代を広めていくことになると考えます。小学生が体験できるような場所を作ってもらいたい。瑞浪超深地層研究所は時間的にも物理的にも入場が限られてしまうため、何か経験できるようなことを工夫できないかと思います。

(事務局)

 地下の坑道に関しては工事中というということもあり、安全上の問題から入坑に年齢制限をしています。当面この工事中という状態は終わらないので、今の状況を大きく変えて誰でもいつでも気軽に入れるというのは難しい。しかし、ご指摘の趣旨にそえる部分をなにか考えていきたいと思います。
(市川委員)

 やはり国民に広く瑞浪超深地層研究所を知ってもらう必要があると考えます。特に高校生はこの計画が終わるころには成人になっているため、全国の高校生に研究所を広くPRする必要があると考えます。何か対策はとっていますか、HP等での広告のみですか。

(事務局)

 高校生への取り組みとしては、サイエンスキャンプやスーパーサイエンスハイスクールがあります。坑道を見ていただいたり、実際に水質分析などの体験をしていただいたりしています。こういった活動を今後も続けていきたいと思います。また、断層がわかるような地層の模型を製作したり、ペーパークラフトを配布し、小さな子供にも作っていただけるような広報素材をつくるなどしています。  今後もこのような工夫をしながら活動をしていきたいと思います。
(日比野委員)

 今年のサイエンスフェアでは、小学生の来館者が多かったが、地下の研究坑道や断層についてのわかりやすい実験を行っていただき、とても有意義なものになりました。
 また、共同研究などでは分かりやすい研究内容の説明をしていただきたい。どのような成果が出るのか興味深く楽しみです。

(河村委員長)

 坑道の中での体験とありますが、体験が坑道の中でどの程度できるのでしょうか、また、パネル表示の説明だけでは不十分ではないでしょうか。専門の方は分かると思いますが、一般の方々は説明だけでは何のために研究を行っているのか分かりにくいと思います。

(事務局)

 坑道では試錐機などを搬出入する必要があるため、固定的な設備の設置が困難です。またパネルは見学時に案内者が説明する際に使用する材料となっており、説明の際には案内者はなるべく分かりやすい説明をするよう心がけています。パネルについても、図を使うなどして理解を促す努力をしています。また今後も動画の導入やパネルに工夫をしたりしていきたいと考えております。
(山田委員)

 時間があれば本日、地球回廊を委員の皆さまに見ていただきたいと考えます。展示を見ていただくと、地下の雰囲気がわかると思います。


4.閉会の挨拶
(水野副委員長)

 本日は、貴重なご意見ご提案をいただき、感謝申し上げます。今回は体験学習についてのご意見が多かったですが、東濃鉱山はニュートリノについての研究の場として活用されております。そういった研究の場としての位置づけも重要であると考えます。しかし瑞浪超深地層研究所は現在工事中であり、実際の活用が難しいと思いますが、貴重な施設であることから、今後とも有効に活用していき、事業の理解を深めることが必要であります。また地下に対する興味を多くの方々に持ってもらいたいものです。本日はありがとうございました。


5.その他
委員会終了後、瑞浪超深地層研究所を視察
 

以 上