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超深地層研究所計画

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地球化学の調査研究

第1段階の調査研究では、地上から掘削したボーリング孔を利用して地下水を採水し、その水質や年代などの分析を実施しました。 また、ボーリングコアを利用した鉱物分析結果に基づき地下水の水質形成プロセスの解析を行い、地下水の水質、年代の三次元分布とその形成プロセスを表現した地球化学モデルを構築しました。

第2段階の調査研究では、地上から掘削したボーリング孔と研究坑道から掘削したボーリング孔に水質モニタリング装置を設置して、 研究坑道の建設(坑道掘削)が周辺の地下水の水質に与える影響の長期観測を行いました。

第3段階の調査研究では、坑道で利用する調査技術として、地下深部の地下水圧や化学条件を維持したまま地下水の pHや酸化還元電位を測定する技術や地下水中のコロイド粒子の調査技術の開発、坑道施工時に使用したセメント材料が地下水に与える影響、 坑道閉鎖時の化学条件の変化に関わる調査研究などを行いました。

地上からの調査に基づき構築した地球化学モデルの画像
図1 地上からの調査に基づき構築した地球化学モデル

これまでの調査研究により、研究所周辺の地下水の地球化学について以下のことが明らかになっています。

  1. 花崗岩中の地下水の水質は、ナトリウム、カルシウム、塩化物イオンに富み、地下1,000m付近には海水の1/10程度の濃度の塩水が存在している(図1)。
  2. 坑道掘削時には、花崗岩中の割れ目部などの相対的に高透水性の部分で地下水の引き込みが大きく地下水の水質が変化し易い(図2)。
  3. 立坑の切羽(掘削時の最深部)では、坑道掘削初期に深部から塩分濃度の高い地下水が湧昇し、地下水の塩分濃度が上昇する(図2)。 上部の坑道では、浅部から浸透する塩分濃度の低い地下水の割合が増え、塩分濃度が時間とともに低下する。
坑道掘削時の地下水への影響プロセスの画像
図2 坑道掘削時の地下水への影響プロセス

上記に関わる公開資料については、成果リストをご参照下さい。