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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発

 用語集

あ行か行/さ行/た行な行は行ま行や行ら行参考文献

さ行

再冠水
地層処分施設が建設されることによって一旦不飽和状態となった岩盤が,処分施設が埋戻されることによって再び地下水により飽和されること。
サイト特性調査
処分予定地において,処分施設の設計や性能評価に必要な情報を包括的に取得するために実施する調査。地表からのボーリング調査や物理調査,地下施設を用いた調査などにより,地表から地下深部までの岩盤および地下水の性質を体系的に調べる。
酸化還元電位
地下水などの酸化還元状態を表す。酸化還元電位が高い地下水ほど,一般に物質を酸化・溶解する能力が大きい。地層処分の観点からは,オーバーパックの腐食速度や核種の溶解量などを支配する条件として,重要な地下水の地球化学特性となる。
地下水は,土壌や岩石中に含まれる鉱物や有機物と反応することにより,還元されていくため,一般には,深部にいくにしたがって地下水の酸化還元電位は低くなる。
シナリオ
放射性廃棄物が人間環境に及ぼす影響を評価する観点から,処分場の閉鎖直後の状態をもとに,長期間のうちにその状態を変化させる可能性のある一連の現象を想定し,これらを組み合わせて地層処分システムの長期挙動を描いたもの。シナリオを作成する目的は,地層処分システムの長期挙動を時系列的に記述することにより,地層処分システムの性能を解析するための道筋を規定し,その解析に必要なモデルの開発やデータ収集の枠組みを与えることである。(参考【1】から引用)
支保工
支保工は,坑道の掘削に伴って力学的に不安定となる坑道周辺の岩盤を施工中から完成後にわたって安定に保ち,掘削作業の安全と完成後の坑道の安全な供用を確保するために設置される構造物。支保部材としては,吹き付けコンクリート,ロックボルト,鋼製支保工,コンクリート覆工が一般的であり,単独あるいは組み合わせて用いられる。
収着(分配係数)
収着は,固体の空孔の中あるいは表面で起こる反応をいう広義の用語である。それを使うにあたっては,吸収と吸着の反応の間の技術的区別の問題は除かれている。吸収は主として固体の空孔内で起こり,固体の吸収能力はその体積に比例するような反応を一般的に示すのに用いられる。吸着は固体表面で起こる反応を示すものであって,固体の吸着能力はその有効表面積に比例する。後者の過程の一例はイオン交換であり,そこでは固体の表面にある荷電位置を占めたイオンが溶液中のイオンにより交換される。分配係数は,特定の化学種の平衡2相間の分配の定量的尺度。環境研究において,その値は,土壌あるいは埋め戻し材が放射性核種の移行をどのくらい遅らせるかを予測するのに用いられる。(参考【2】から引用)
使用済燃料
原子炉を運転すると,核分裂するウラン235 が減少するので,一定期間(1年前後)ごとに原子炉を停止して新しい燃料に取りかえなければならない。通常,原子炉内の燃料は1回に1/3〜1/4くらい取りかえられるが,このようにして取り出された燃料を使用済燃料という。
冗長性(redundancy)
性能の一部が機能しない際,代わりに機能を果たす代行能力を備えていることを表す用語として用いられる。
処分技術
人工バリアならびに処分施設の設計・製作・施工に係わる技術。材料工学,機械工学,土木工学などの分野に関連する。
処分施設
放射性廃棄物を地層処分するための施設。処分する廃棄体を搬入・検査しオーバーパック等の容器に封入するための地上施設,地下深部へ搬送するためのアクセス坑道,地下施設の建設,操業及び閉鎖を行う際に使用される主要坑道と連絡坑道,オーバーパック等に封入された放射性廃棄物を埋設する処分坑道などで構成される地下施設からなる。
人工バリア
処分した放射性廃棄物から放射性物質が生活環境へ移行することを抑制するために人工的に設けられる障壁。高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリアは,ガラス固化体,オーバーパック,緩衝材からなる。
制度的管理
処分を適切に実施するため,法令に従って当局あるいは指定機関が行う管理のこと。能動的な管理(人間による処分場の管理・保守,環境放射線のモニタリングなど)および受動的な管理(フェンスやマーカーの設置,記録の保管,土地使用の制限など)に分けられる。(参考【1】から引用)
性能評価
地層処分システム全体,あるいはその要素である個別システムが有する機能について解析した結果を適切な基準と比較し,その性能について判断を行うこと。解析の対象が地層処分システム全体で,比較の基準が安全性に関わるものである場合には,性能評価は安全評価と同義である。(参考【1】から引用)
性能評価研究
地層処分システムの構成とその性質を明確にし,その将来挙動を予測解析する方法を確立するとともに,予測解析に必要なデータを入手するために行われる研究開発の総称。シナリオの開発,モデルの開発,データを用いた解析・評価の順に繰り返し進められる。
接近シナリオ
火山活動や隆起・侵食などの天然現象,あるいは将来の人間活動を発端として,処分場に埋設された高レベル放射性廃棄物と人間との距離が接近し,放射線による影響が人間や生物圏へ及ぶことを想定するシナリオ。(参考【1】から引用)
線量への換算係数
生物圏評価モデルを用いて地圏からの核種移行率(単位入力の核種の移動量(フラックス)から線量を評価するための係数。

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