国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 原子力緊急時支援・研修センター

安全研究・防災支援部門
原子力緊急時支援・研修センター

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原子力緊急時支援・研修センターにおける調査研究

 原子力緊急時支援・研修センターでは、災害対策基本法、武力攻撃事態対処法に基づく指定公共機関として、国民の安全確保に資するため、平常時から原子力災害対策(武力攻撃事態等含む)等に関する国内外の情報収集と調査・研究を行っております。
 この調査・研究の成果を公開ウェブサイトや研究開発報告書等を通して公表し、関係行政機関や地方公共団体をはじめとする原子力防災関係者への一助として情報発信を行い、原子力防災に関する知識情報の普及を図ることとしております。
 その一環として、平成25年度から、「原子力防災情報」にて、最近の原子力防災に係る話題や、作成中あるいは既に公開した報告書から鍵となる話題を公開しております。また、平成27年度以降は、外部からの受託事業による調査研究も実施しております。
 なお、以下に、平成24年度以前に取りまとめた報告書を紹介します。こちらも、ご参照頂ければ幸いです。


平成24年度

我が国の新たな原子力災害対策の基本的な考え方について-原子力防災実務関係者のための解説-

 平成23年3月11日に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故を受け、我が国の原子力規制の在り方や原子力防災体制についても見直しが進められ、新たな原子力防災体制の骨格が見えてきたところである。特に、原子力規制委員会の定めた原子力災害対策指針においては、国際原子力機関の定めた安全文書の考え方や対策実施等の基準を概ね取り入れたものとなっており、従前の防災指針とは大きく考え方が異なっている。今後、これらの法令改正や指針類の改定を受け、原子力発電所等の立地地域等において、体制、要員及び資機材等の整備が進められるとともに運用面等の手順が定められていくこととなる。その際に、より実効的な体制としていくためには、原子力防災の専門家等だけでなく原子力防災の実務に係る地方公共団体の職員や関係機関の職員等も新たな原子力防災体制の考え方を理解しておくことが肝要である。そのため、本報告書は「立地地域等や新たに地域防災計画の立案が必要になった地域(関係周辺都道府県及び関係周辺市町村)を念頭に」新たな原子力防災体制の概要やその考え方を出来る限り丁寧に説明することを試みたものである。

JAEA-Review-2013-015.pdf:14.79MB


平成23年度

福島支援活動を踏まえた原子力防災にかかる課題と提言

 東京電力福島原子力発電所事故に対応するため、支援・研修センターは、事故発生当初から原子力機構の支援活動の拠点として活動を継続してきました。平成23年度は、東京電力福島原子力発電所事故の発生から数か月間の支援・研修センターを中心とするこれらの支援活動を整理し、まとめるとともに、福島における支援活動を通して明らかとなった我が国の原子力防災に係る課題を踏まえ、原子力災害対策の実効性向上の観点から10の提言として取りまとめました。

JAEA-Review-2011-049.pdf:13.24MB


米国エネルギー省「探索及び放出後管理に関する国際ワークショップ(ISCM-WS)」調査報告

 武力攻撃事態等及び緊急対処事態に伴って発生した放射性物質あるいは放射線による被害への対応に関する検討として、このような緊急的な事象によって環境に放出された放射性物質等の影響を抑制するための管理(放出後管理)の考え方及びその手法について、最新の情報を得るため、2010年に米国エネルギー省の主催で開催された「(放射性物質の)探索及び放出後管理に伴う国際ワークショップ」に参加し、米国の緊急時モニタリングなど放出後管理の体制を調査しました。この調査により得られた知見について取りまとめました。

JAEA-Review-2011-028.pdf:3.25MB


平成22年度

核物質防護を含めた原子力防災全般に係る海外動向調査

 国際関係機関、原子力発電所先進国、原子力発電所導入予定国についての核物質防護を含む原子力防災体制の調査や原子力先進国の核物質防護を含む原子力防災体制における良好事例、原子力発電所導入予定国に対する核物質防護を含む原子力防災に係る協力余地の整理を行った。(経済産業省原子力安全・保安院委託事業)

http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2011fy/E001816.pdf:5.2MB


放射性物質の輸送事故の緊急時対応における実効性の評価のための調査

 原子力災害対策特別措置法の対象となる核燃料物質輸送の緊急時対応計画の策定に資するため、フランス等の先行研究を参考にして、過酷事故を想定した条件と影響の定量的評価を実施し、その結果に基づき安全距離等の防護対策を検討した。(内閣府原子力安全委員会委託事業)


平成22年度茨城県原子力総合防災訓練における自家用車避難訓練の評価

 平成22年度茨城県総合防災訓練において、自家用車を避難に使用した訓練における避難車両の車両挙動について分析評価を実施した。また、自家用車を含む避難手段の選択について、要援護者避難訓練及び住民避難訓練参加者へのアンケート調査を実施した。本訓練の調査を踏まえた考察から、次の知見が得られた。(1)混雑緩和と代替路の確保から、避難対象の居住区ごとに、通行できる台数の少ない道路も含めて複数の避難経路を検討する必要がある。(2)円滑な避難を進めるために、避難経路上の交通規制や誘導も重要である。(3)避難を円滑に実施するという観点では、自家用車による避難を行う場合は、特に避難施設の駐車場容量や入口構造を避難所選定条件とし、事前に確認することが必要と思われる。(4)被験者の原子力防災訓練における経験が避難手段の選択に影響を与える可能性がある。(5)避難指示が想定される地区を取りまく周辺の地区においても原子力災害時の避難行動に関する意識調査をする必要がある。

JAEA-Technology-2011-042.pdf:3.17MB


平成21年度

原子力防災に係る訓練評価に関する調査

 国内の自然災害の防災訓練評価、海外の原子力防災訓練評価の体制の調査に基づく原子力防災訓練の評価手法改善等。(経済産業省原子力安全・保安院委託事業)

http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2010fy01/E000803.pdf:3.3MB


発電用軽水炉施設における原子力緊急事態解除の判断フロー及び判断チェックリストに関する調査検討

 平成20年度調査で作成した「判断フロー案」に基づき、それを実用上の判断項目に詳細化し、緊急技術助言組織において原子力緊急事態解除の判断に関する意見に係る技術的な事項についての調査審議を行うための「判断チェックリスト(案)」として具体化した。(内閣府原子力安全委員会委託事業)


放射性物質の輸送事故の緊急時対応に関する調査

 海外調査等で得られた国内外の最新動向を踏まえ、我が国における輸送事故の緊急時対応モデルシナリオの提案及び関係者の役割に応じた適切な対応のあり方を提案した。(内閣府原子力安全委員会委託事業)


平成21年度原子力総合防災訓練における自家用車避難訓練、災害時要援護者自家用車避難訓練及び大規模集客施設一時滞在者帰還訓練の評価

 2009年12月21日、22日に茨城県で開催された国の原子力総合防災訓練において、自家用車を使用した訓練として、「自家用車避難訓練」、「要援護者避難訓練」、「大規模集客施設一時滞在者帰還訓練」が実施された。これらの訓練における車両挙動の把握と評価を目的として、訓練参加者に対するアンケート、GPS測位データ、空中や地上からの観察や撮影画像をもとに分析評価を実施した。また、訓練期間中に実施された交通量調査のデータをもとに、交通規制による周辺部の影響について分析した。その他、自家用車避難を含む避難手段の選択状況や、要援護者避難,大規模集客施設帰還の課題を把握することを目的として、訓練参加者にアンケートをもとに分析を実施した。

JAEA-Technology-2010-024.pdf:3.88MB


平成20年度

発電用軽水炉施設における原子力緊急事態解除の判断等に関する調査

 発電用軽水炉施設における原子力緊急事態解除の判断について、原子力安全委員会が意見を述べるための「判断フロー」を取りまとめた。(内閣府原子力安全委員会委託事業)


放射性物質の輸送事故の緊急時対応に関する調査

 海外での対応例を参考にしつつ、日本のあるべき輸送事故の緊急時対応の概略を提案した。(内閣府原子力安全委員会委託事業)


原子力緊急時の住民避難計画の策定に関する調査(Ⅱ)

 原子力緊急時の住民避難計画の策定に関して公開文献を中心とした調査を実施した。フランスで導入された即時対応フェーズは、早い放射性物質の外部放出が予想される事故に対処するため、まず半径2kmの範囲について即時に屋内退避を実施し、その後、放射性プルームの通過を待って避難を実施するという対応がなされる。また、この対応には、当該区域に対して安定ヨウ素剤の事前配布を実施することが前提となる。フランスの原子力緊急時の住民避難は、我が国と同様にバスで避難者を移送するが、その受入れ施設は、屋内退避措置が想定されている範囲、原子力発電所の場合10kmの外に設置される。避難時間評価に関する米国の実例から、避難時間評価は、外的条件のパラメータとして、季節,平日/週末,昼/夜,天候,行事等を設定し、あらかじめ作成した避難区域パターンについて実施される。国勢調査データではわからない住民行動に関する情報は電話調査によって取得している。避難時間評価において、避難対象になっていない住民が自発的に避難を始めてしまうことの影響は重要である。また、我が国においては、一般道に関する広域の交通シミュレーション技術が重要である。

JAEA-Review-2008-027.pdf:0.82MB


IAEA国際緊急時対応演習ConvEx-3(2008)の視察報告

 2008年7月のメキシコで行われた原子力発電所事故対応演習に合わせて、IAEAは国際緊急時対応演習ConvEx-3(2008)を実施した。本調査報告は、このConvEx-3(2008)における演習上の事故発生国であるメキシコの現地活動とIAEA本部の事故・緊急時センターの国際緊急時対応活動について、2か所で同時に視察調査を行い、その結果をまとめたものである。

JAEA-Review-2008-065.pdf:8.46MB


防災業務情報共有システムECHOの開発

 原子力緊急時の活動では、複数の活動拠点に分かれた多数の関係者が、相互に連携しながら協調して行動することが求められる。これまでの原子力緊急時では、関係者間でタイムリーな情報共有ができず、状況把握までに時間を要し、その結果広報内容に混乱を招くなどの問題がみられた。そこで、過去の教訓や情報通信手段の長所・短所を考慮し、「防災業務情報共有システムECHO」を開発した。本システムは、ネットワーク上のPCから入力された情報を、セキュリティ機能を有するサーバへ一元的に登録し、Web画面上の電子的な情報掲示板において時系列的に表示する。Web環境で動作するシステムにより、離れた地点の多数の関係者のリアルタイムな情報共有が円滑・確実になり、同時に情報管理にかかわる作業負担の大幅な軽減が可能となった。現在、本システムは原子力防災関係省庁と全国22か所のオフサイトセンター等を結ぶ原子力防災ネットワークにて24時間体制で運用され、全国各地で実施された原子力防災研修,防災訓練での利用実績を積み重ねている。

JAEA-Technology-2008-025.pdf:2.71MB


平成20年度茨城県原子力総合防災訓練における自家用車避難訓練の評価

 2008年9月30日の平成20年度茨城県原子力総合防災訓練において実施された「自家用車避難訓練」は、原子力災害時における住民避難を住民自身の自家用車で実施することを想定した訓練としては、実質的に我が国で最初のものであった。本評価は、この「自家用車避難訓練」における約200台の避難車両の移動状況を3つの動態データ、(1)訓練参加者に対するアンケート調査,(2)GPSデータ、及び(3)茨城県警察のヘリコプターからの空中撮影、をもとに分析したものである。また、「自家用車による住民避難」に関する意識調査アンケートを訓練参加者に実施し、その結果をまとめた。避難車両の動態データから、今回の「自家用車避難訓練」で発生した渋滞は、停止時間の長い2か所の信号によって発生し、「自家用車による住民避難」の計画では、信号機の設定変更など避難車両の交通流を優先する交通規制を行うことが重要であることが示された。また、意識調査アンケートから、「自家用車での避難」では、避難先施設及び避難経路を事前に決定し、平常時に住民に周知しておくこと、及び、原子力災害時には「避難の必要ない地域」に対する情報提供が重要であることが示された。

JAEA-Technology-2008-089.pdf:1.64MB


平成19年度以前の調査研究報告書

IAEA国際緊急時対応演習ConvEx-3に関する調査

JAEA-Review-2007-021.pdf:9.99MB


原子力緊急時の住民避難計画の策定に関する調査

JAEA-Review-2007-035.pdf:6.6MB


原子力緊急時対応体制に関する米国調査報告

JNC-TN1420-2005-001.pdf:27.16MB

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