高速増殖炉の実用化を目指した燃料開発では安全性を確保しつつ、軽水炉をしのぐ経済性の達成が課題です。このため「常陽」では、高性能燃料の開発に向けた照射試験として、集合体取出平均燃焼度20万MWd/tを目指した高燃焼度燃料の開発を主体に各種燃料・材料の照射を行い、その照射挙動を調べています。
 また、窒化物燃料等の新しい燃料の開発や、長い半減期を持った放射性核種の消滅処理技術の開発など、高速炉の特徴を活かした革新的技術開発のための照射試験にも取り組んでいます。

照射試験装置
 照射試験を効率よく行うためには個々の照射目的にかなった照射装置が必要です。そのため照射中の温度や圧力をオンラインで測定可能な各種オンライン照射装置をはじめ、より簡便な方法で照射試験を行うためのオフライン照射装置があります。
(オフライン照射装置)
(オンライン照射装置)
照射装置に種々の計装を組み込むことにより、照射試験精度の向上と高度化を目指しています。本照射試験装置としては、燃料の中心温度、核分裂性生成ガス圧力等をオンラインで取得できる計測線付照射装置:INTA(Instrumented Test Assembly)、照射温度を制御し照射下のクリープ試験を行うための制御型材料照射装置:MARICO(Material Testing Rig With Temperature Control)、安全容器内で同様の照射温度制御が可能な炉外材料照射装置:EXIR(Ex-vessel Irradiation Rig)、炉上部で照射し照射温度をオンラインで測定可能な炉上部照射プラグリグ:UPR(Upper Core Structure Irradiation Rig)があります。