高速実験炉「常陽」は、我が国初の高速炉として1977年4月に初臨界を達成しました。その後、エネルギーの高い中性子(高速中性子)を用いた試験施設として、隣接する燃料・材料の試験施設(照射後試験施設)とともに、世界的にも貴重な研究施設となっています。

 さらに、最近では、がん治療のための医療用ラジオアイソトープの製造についても期待が集まっています。


高速実験炉部
部長 関根 隆 

 東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえて定められた原子力施設の安全対策に関する新たな基準では、原子炉で発生する可能性のある事故や、地震・火山・竜巻といった自然災害の想定レベルを厳しく見直し、極めて大きな事故や地震等にも耐えられるよう、設備の追加や補強を行うことが求められています。

 高速実験炉部では、冷却材としてナトリウムを使用するといった「常陽」の特徴を踏まえて、万が一の事故にも対応できる安全対策を検討し、設備の追加・補強等を進めてまいります。

 また、施設の安全確保を第一に、医療用ラジオアイソトープの実用化に向けた研究にも貢献してまいります。