測定器の種類 型  名 測 定 範 囲 測定対象の放射線 備  考
GM管式
サーベイメータ
290 0.1μSv/h〜10mSv/h γ  
NSM-152 0.1μSv/h〜5mSv/h β,γ  
NHJ110 0.1〜300μSv/h β,γ  
6112D 1μSv/h〜10Sv/h γ 高線量当量及び遠隔測定用
X5DE 0.1μSv/h〜10Sv/h γ
電離箱式
サーベイメータ
ICS-311 1μSv/h〜10mSv/h β,γ  
ICS-313 1μSv/h〜300mSv/h β,γ  
AE-133V 1μSv/h〜1Sv/h γ  
450P 1μSv/h〜50mSv/h γ  
471 1μSv/h〜3Sv/h X,β,γ 低エネルギーX線用
シンチレーション式
サーベイメータ
TCS-161 0.01〜30μSv/h γ  
963 0.1μSv/h〜100mSv/h γ  
963A 0.1〜500μSv/h γ  
中性子用
サーベイメータ
NSN-1000 0.01μSv/h〜10mSv/h 中性子  
TPS-451 0.01μSv/h〜10mSv/h 中性子  
AE-2202D 1μSv/h〜100mSv/h 中性子  
NSM-413 0〜3000s-1 中性子  


測定器の種類 型  名 測 定 範 囲 測定対象の放射線 備  考
GM管式
サーベイメータ
TGS-123 10〜105 mim-1 β  
TGS-133 10〜105 mim-1 β  
TGS-136 10〜105 mim-1 β  
シンチレーション式
サーベイメータ
TCS-212 10〜105 mim-1 α  
TCS-222 10〜105 mim-1 α  
比例計数管式
サーベイメータ
TPS-301 10〜105 mim-1 低エネルギーβ線  
FHT-111 1〜2×104 s-1 α,β  
FHT-111M 1〜104 s-1 α,β  
LB-122 0.1〜104 s-1 α,β  



原理・性能
 電離箱検出器は、ベークライトやプラスチックで作られた円筒形の容器に空気やアルゴンガスが入っており、中心電極と壁材の間に電圧を加えておき、電離箱内に電場を作っています。この中にγ(X)線が入射すると、空気が陽イオンと陰イオンに電離されます。それぞれの電極にこれらのイオンが集められると電極間に微少な電位差が生じて電流が発生します。この微少電流を直流増幅して直接的に電流表示する測定器が電離箱式サーベイメータです。電離箱式サーベイメータは、30keV以上の光子エネルギーに対してエネルギー特性が良好で精度の高い測定をすることができます。
 
原理・性能
 GM計数管は、ガイガー氏とミュラー氏が発明したもので、円筒形の内部にヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが詰められており、中心電極と壁材の間に700〜1000Vの直流電圧が加えられています。γ(X)線は、壁材と反応して内部に電子を放出させ、電子は内部のガスに電離を引き起こします。電離によって生じたイオンがきっかけとなって管内に放電が起き、放電によるパルスを計測することにより測定が行われます。起きた放電を早く消滅させるために内部のガスにハロゲンガス又はギ酸エチルなどの有機ガスが添加されています。
 GMサーベイメータは、約0.1μSv/hの線量当量率から測定できるので感度が高く、応答も速いので使いやすいです。GM計数管は、一旦放電が起きると、その放電が消滅して次の放電が起こり得るまで約100μsecの不感時間があります。また、放電の大きさが元の大きさになるまで電場が回復するには更に時間(回復時間)を要します。この時間を合わせると数100μsecになります。このため、線量当量率が高くなると計数落としが生じ、さらに高くなるとGM計数管の心線近くの電場が回復せず、いわゆる窒息がおきて計数停止にいたります。この窒息現象は、高い線量当量率を低いものと誤認する原因となるので十分注意する必要があります。

原理・性能
 シンチレーション検出器の測定原理は、放射線が入射するとシンチレータは微少な光を発し、この光を光電子増倍管で電流に変換して増幅し、得られるパルス電流を計数することにより放射線を測定するものです。主としてγ(X)線用ではNaI(Tl)、CsI(Tl)などのシンチレータが用いられ、β線用では、プラスチック、α線ではZnS(Ag)のシンチレータが使用されます。γ(X)線用のシンチレータの感度は、GM管式や電離箱式より優れているので、一般環境等の微少な放射線測定に有効です。

原理・性能
 中性子サーベイメータとしては、一般にレムカウンタと称する測定器が使用されています。検出器は、BFガスやHeガスを封入した比例計数管が主流で、核反応を利用して測定します。中性子のエネルギー領域は、熱中性子(0.025eV)から高速中性子(10MeV)まで広範囲であるが、レムカウンタは、検出部の材質や形状に工夫をこらし、直接的に線量当量率の単位で表示するようになっています。


原理・性能
 β線による表面汚染の検査には、大面積端窓型GM計数管を使用したサーベイメータが用いられます。一例として、TGS-133型サーベイメータは、入射窓径50mmφ、窓厚3mg/cm2のGM計数管が用いられています。測定できるβ線は、最大エネルギー0.2MeV以上です。


 α線による表面汚染の検査には、大面積のシンチレーション検出器を使用したサーベイメータが用いられています。一例として、TCS-222型サーベイメータは、14.5cm×5cmのZnS(Ag)シンチレータが用いられ、約1mg/cm2のアルミナイズドマイラ薄膜によって遮光されています。遮光膜は、ピンホールがあいたり、破れたりすると光漏れによる擬似計数を生じるから注意して測定を行います。