自然放射線被ばくをもたらす放射線源には、主に宇宙放射線(宇宙線)、地中からのガンマ線、経口摂取や吸入により体内に取り込まれた半減期の長い核種、及び吸入されたラドンとその崩壊生成物(ラドン:222Rn、トロン:220Rnとその娘核種)の4種類がある。 最初の3種からの被ばく線量は比較的一定であり、しかも全身にほぼ均等な被ばくをもたらす。 一方、ラドンとその崩壊生成物からの被ばく線量は種々の要因から大変ばらつきが多い。 また、肺の被ばくが主である。国際連合原子放射線の影響に関する科学委員会(UNSCEAR)1993年報告によると、 自然放射線被ばくの世界的な平均年実効線量は2.4mSvであると推定されている。 そのうち約1.3mSvはラドン被ばくによるものであり、1.1mSvはラドン以外の自然放射線源によるものである。 宇宙線の線量率は高度(高度効果)と緯度(緯度効果)に依存し、高度の高い地域では平均的な値の5倍になる。 大地からのガンマ線による線量率は、局地的な地質によって左右され、典型的に高い地域では平均の約10倍である。 また、ある種の鉱砂の近くにある2、3の地域では平均の約100倍が観測されている。 ラドン崩壊生成物から受ける線量は、局地的な地質と使用する建造物の建材の種類によって異なるが、特定の地域の線量は平均の約10倍であった。 局地的な地質とある種の家屋と通風状況の組み合わせによって、ラドン崩壊生成物からの線量は数百倍にもなると予想される。 自然放射線源からの標準的な被ばく線量を表1に示す。