【概要】
米国の核脅威イニシアティブ(NTI:Nuclear Threat Initiative)が提案しているIAEA核燃料バンクの創設に関し、クウェートがIAEA理事会(2009年3月2〜6日)において1,000万ドルの拠出を表明した。
この拠出表明で、同バンク設立のためにNTI自らが5,000万ドルを出資することの条件としている「各国等からの1億ドル、もしくは1億ドル相当の濃縮ウランの拠出があること」が満たされることとなった。今後は、この1億5,000万ドルを背景に、IAEAにおいて同バンクの具体的なメカニズムの構築に向けた検討が行われることになる。そのため、2009年6月のIAEA理事会への付議を目途に、米国やEUなど、同バンク創設に拠出を表明した国等を交えて、IAEA核燃料バンク構築に関する検討が一気に加速する可能性がある。
一方で、供給保証メカニズムが核兵器不拡散条約(NPT)第IV条で保証されている(濃縮や再処理を含む)原子力平和利用の権利を奪われるのではないかとの懸念から、供給保証メカニズムに懐疑的なNAM(Non-Aligned Movement; 非同盟運動)諸国や、実際にウランを所有する原子力産業界との協力等につき、IAEAや関係国がどう折り合いをつけていくかといった課題も残っており、今後のIAEA核燃料バンク創設に係る動向が注目される。
また、IAEA事務局長や米国のIAEA理事会でのステートメントを踏まえると、将来的には核燃料バンクのみにとどまらず、核燃料サイクル施設の多国間による管理・運営の議論に発展する可能性もあり、国際的な動向に注目していく必要がある。
※詳細は添付参照
【概要】
米国の核脅威イニシアティブ(NTI:Nuclear Threat Initiative)が提案しているIAEA核燃料バンクの創設に関し、クウェートがIAEA理事会(2009年3月2〜6日)において1,000万ドルの拠出を表明した。
この拠出表明で、同バンク設立のためにNTI自らが5,000万ドルを出資することの条件としている「各国等からの1億ドル、もしくは1億ドル相当の濃縮ウランの拠出があること」が満たされることとなった。今後は、この1億5,000万ドルを背景に、IAEAにおいて同バンクの具体的なメカニズムの構築に向けた検討が行われることになる。そのため、2009年6月のIAEA理事会への付議を目途に、米国やEUなど、同バンク創設に拠出を表明した国等を交えて、IAEA核燃料バンク構築に関する検討が一気に加速する可能性がある。
一方で、供給保証メカニズムが核兵器不拡散条約(NPT)第IV条で保証されている(濃縮や再処理を含む)原子力平和利用の権利を奪われるのではないかとの懸念から、供給保証メカニズムに懐疑的なNAM(Non-Aligned Movement; 非同盟運動)諸国や、実際にウランを所有する原子力産業界との協力等につき、IAEAや関係国がどう折り合いをつけていくかといった課題も残っており、今後のIAEA核燃料バンク創設に係る動向が注目される。
また、IAEA事務局長や米国のIAEA理事会でのステートメントを踏まえると、将来的には核燃料バンクのみにとどまらず、核燃料サイクル施設の多国間による管理・運営の議論に発展する可能性もあり、国際的な動向に注目していく必要がある。
※詳細は添付参照
【解説:政策調査室 田崎】